1. HOME
  2. レッスン
  3. 神か!?悪魔か!?緊張の一打「フェアウェイウッド」前編
レッスン

神か!?悪魔か!?緊張の一打「フェアウェイウッド」前編

レッスン

あっ、またやってもうた!

例えば、ゴルフよくあるある話・・・
ドライバーで会心のナイスショットを打ったロングホールのセカンドショット、ノリノリで挑んだフェアウェイウッドがチョロ(涙)、力みすぎた!というミスショットを反省する苦い経験は誰もがたくさん持っているはずだ。

「フェアウェイウッドってやさしいんじゃなかった?」

一般アマチュアゴルファーにとってフェアウェイウッドは決してイージーなクラブになっていない。
それはナイスショットと“チョロ”が常に隣り合わせにある紙一重の存在。

今号ではフェアウェイウッドというクラブを今一度、基本から考え直す。
私たちにとって神か!?悪魔か!?果たしてどっちだ?

アマチュアゴルファーの事情を汲んでくれた今号の顔、青木 瀬令奈プロが得意のフェアウェイウッド・レッスンを特別に担当してくれたぞ。

「フェアウェイウッドのことなら任せなさい!」特別講師:青木 瀬令奈 プロ
あおき せれな、1993年2月8日生まれ、群馬県出身、マツシマホールディングス所属。

レジェンド竹田(58)
永遠の100切りゴルファー、レジェンド竹田(58・BUZZ GOLF 営業マン)のゴルフは、1ラウンドの中に必ずフェアウェイウッドでチョロがある。
あまりにも結果が伴わないため、さらなる刻みを勧めるが、熱きハートを持つ彼は決してフェアウェイウッドを諦めない。
そう、この企画は彼を救う裏テーマがあるのである。

FWの新常識:ボールは上がりやすいが、やさしいクラブではない!?

私たちはフェアウェイウッド(以下FW)をドライバーに次ぐ飛び道具としてしか認識がない。何も間違ってはいないが、その本当の特性を知りFWに対しての向き合い方を変えていかなければ一生モノにできないかもしれない。
クラブエンジニアの松吉宗之さんが新常識を話してくれた。

クラブエンジニア:松吉 宗之
まつよし むねゆき、BUZZ GOLFではDATALABOでお馴染み。これまで様々な名器を世に送り出してきたクラブエンジニア。
ジューシーを起業し、オリジナルクラブの開発を手掛けている。

新常識1:FWの慣性モーメントは意外と小さい

まずドライバーを語る上で、ミスヒットへの強さの機能値として慣性モーメント値が一般化しています。
ドライバーはゆうに5000g・㎠を超える大慣性モーメントが当たり前になり、最近ではプロ用アマ用という垣根がなくなるほど、全てが寛容性に優れています。同じウッド類にあたる、FWも同じく大型化を辿ってはいますがそれほど顕著ではなく、3Wで慣性モーメントが3000g・㎠を超えるものが最大値であり、平均的には2500〜2800g・㎠とドライバーと比べるとその差は歴然です。
そしてFWは番手が大きくなるごとにヘッドサイズが小さくなるのも特徴、自ずと慣性モーメントも小さくなっていきます。

この特性からFWは打点のバラツキに対して、決して寛容性の高いクラブではないこと。シャフトもドライバーに次いで長いため、ミート率が定まらないゴルファーには、弾道のバラツキや飛距離ロスに反映されやすい、という特性を持っているのです。

新常識2:操作性が良い=芯に当てやすい

プロや上級者のゴルフでは、ティショットに3Wを活用するシーンが多々あります。
ドライバーで飛距離が余ってしまう場合、またティショットの落とし場所が狭いホールを攻略する場合などに活用されます。
が、一般的なアマチュアゴルファーの場合は、余程ドライバーの飛距離が余ってしまうケースを除いて、FWでティショットを打つのはお勧めしません。絶対的にドライバーの方がやさしいからです。

プロ・上級者がティショットでFWを選ぶのは“操作性が良い”こと、それを裏付けるのは重心距離の短さにあります。平均40ミリを超えるドライバーに対して、3Wは平均34ミリ、ショートウッドになるとさらに短くなるため、ヘッド操作が明らかにしやすい。弾道のコントロールも容易になるというわけです。

ただヘッド操作の良さは、言い換えれば芯に当てやすい、という意味もあります。つまり“芯の当てやすさ”はやさしさにもなり、一般アマチュアゴルファーにとっても鍛錬次第では非常に有効な武器にもなり得る、ということは確かです。

新常識3:「ボールが上がりやすい」自分にとって有効なFWを見つけること

FWの特性として、主に3W、5Wでモデルごとの性格が現れます。大きくジャンルを分けると、「やさしさを重視したスピン量の入りやすいタイプ」、「距離を重視したスピン量の少ないタイプ」がありますが、大切なのはご自分にとって、芝の上から一番飛ばせる(使いこなせる)適正なFWはどちらのタイプであるか、を見極めることです。

例えば「距離を重視したスピン量の少ないタイプ」は、ドライバー寄りに性能を近づけたモデルが多く、その特性上、ティショットで非常に有効的なクラブになります。ただ多くの一般アマチュアゴルファーにとって求めるべきは、ドライバーショットのリカバリーとして有効的なものを選ぶべきだと私は考えます。

FWの最大の特徴はボールが上がりやすく、飛距離が容易に稼げること。「やさしさを重視したスピン量の入りやすいタイプ」を選び、その特徴メリットを際立たせたセッティングをお勧めします。

COLUMN:FWは番手が小さくなるほどヘッドサイズが小さくなっていくわけ

FWはその伝統的な形状を維持するために、フェースがシャフト軸よりも前側に設計されることがほとんどです。ショートウッドになれば、ロフトが増えるため、それを表現するためにフェースプログレッションが大きくなります。
つまりフェース側にボリュームが大きくなるため、形状的なバランスを維持するために後方のボリュームを減少させる必要があるのです。

マーベリックMAX FW

大きな投影面積で慣性モーメントもFWでは最大化。リーディングエッジが地面に近い位置まで低くなっており、トップ目のミスヒットでもボールを上げる効果を生み出す。

9W

7W

5W

3W

フェアウェイウッドは「やさしさを重視したスピン量の入りやすいタイプ」、「距離を重視したスピン量の少ないタイプ」を3W、5Wで性格判断しよう!

青木プロ、FWは楽勝ですか(笑)?
いえいえ(笑)私にとってもFWは勇気の一打。

女子ツアーでも屈指のFW巧者として有名な青木 瀬令奈プロのショットはまるで私たちがウェッジを打つかのようにイージーにグリーンに飛んでいく。

FWを打ちこなす意識するべきポイント

  • 前傾角度を変えないこと
  • 上下動をさせないこと

※膝の高さを変えないように
※無理に形を作ろうとすると、可動域を抑え込んでしまい体がスムーズに動かなくなります。イメージすることを取り組んでください。

やさしく飛ばせるFWはスコアの生命線

私はフェアウェイウッド(以下FW)を3W、5W、7W、9Wの4本を採用しています。かつては11Wも採用していた時期もあるほどFW好き。

その理由はひとえにボールを楽に上げることができるからです。飛距離が有利なツアーにおいてドライバーの平均飛距離でアドバンテージがとれない私にとって、FWはスコアメイクの生命線と言っても過言ではありません。そして、その精度には絶対的な自信があります。

よくFWをうまく打つコツを聞かれますが、決して簡単ではない。ドライバーに次いでシャフトが長いことが代表的な不安定要素であり、芝の上からボールをうまくミートするにはスイングのバラツキを意識して抑えることが必要になります。

ポイントは2つ。スイング中に前傾角度を変えないこと、そして上下動を加えないことに尽きます。
FW巧者と言われる私も、意外に1球1球が入魂。スイングに全力で集中して、真っ直ぐに飛んで行け!と勇気を出して打っているのです。

FWがモノにできれば、ロングレンジの安定性が飛躍的に上がります。フェアウェイはもちろんですが有効的なのはラフ。芝がクラブに絡みがちなラフでもうまくソールが滑ってくれてアイアンよりも抵抗感がなく確実に狙った飛距離を出していけます。

COLUMN:ラフにも強いFW

青木プロがラフからでもFWが武器になると言いますが、それは物理的にも正しい。
FWはボールから見たフェース面の投影面積がアイアンよりも格段に小さく、ラフの抵抗を最も軽減できるのが特徴。
ソール面も広くうまく芝面を滑ってくれるので、インパクトエリアでのボールへの推進力が働きます(クラブエンジニア松吉氏)

青木 瀬令奈プロのFWセッティング

3W スリクソンZF85 キャリー185ヤード

4本のFWの中では唯一の飛距離追求仕様。
風に負けないロースピン弾道が打てるのが特徴です。

5W ゼクシオテン キャリー185ヤード

3Wとキャリーは同じですが、スピンをコントロールして止まるボールを打つことができます。

7W ゼクシオテン キャリー175ヤード
9W ゼクシオテン キャリー170ヤード

スピンコントロールを意識して、ピンを狙うクラブとして使用しています。
ラフからでも容易で安定した距離を精度高く飛ばしていけます。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。