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レッスン

神か!?悪魔か!?緊張の一打「フェアウェイウッド」後編

レッスン

インパクトを1点で考えてはいけない。
ボールを5個まとめて打てる
長いインパクトゾーンの“通過点”で打とう。

・芝を滑らせていくイメージ
・ボール直前の最下点から上昇軌道でボールをとらえていく

FWは芝面からボールを打つクラブだ。
それと同じ用途のアイアンはダウンブローを意識して打ち込んでいくが、FWも同じでいいの?

“払う”“横から当てる”自分にマッチしたイメージを構築しよう

青木 瀬令奈プロのFWインパクトイメージ

FWをアイアンのようにダウンブローを意識して打つのか?私の答えとしてはNOです。むしろ私のイメージは緩やかなインパクトゾーンの中で、ヘッドを上昇させながらボールをとらえていく感じです。

FWだけに限らず、全てのクラブにおいて、インパクトゾーンはできるだけ長くしたい。ミドルアイアン、ショートアイアン、ウェッジは過度に打ち込む、1点のインパクトでもなんとかこなせますが、クラブ長がそれらより長いFWでは通用しない。とくにFWの場合はボール1個だけでなく、目標方向に並べた仮想ボールを5個まとめて打てるような緩やかで長いインパクトゾーンの通過点でボールを捉えていくことが理想的です。

インパクトゾーンを長くする、つまりFWをうまく打ちこなすコツは、“払うように打つ”、“ボールの横から当てる”など、プレーヤーによってイメージが異なるもの。ご自分にハマる良いイメージを練習場で探り、良い感覚を構築しましょう。

結果を恐れず、今やるべきことに専念する。

FWのショットに求められる成功の秘訣、それはミート率を上げることだ。
抜群のミート率を誇る青木 瀬令奈プロはどんな心がけでワンショット毎を挑んでいるの?

ミート率をアップさせるアドレスの約束事

  • 肩を脱力させて首を長く保つように
  • リラックスした状態で唯一“丹田”に力を入れる

注意!

上半身が力んだ状態は首が詰まってしまい身体の可動域が損なわれてしまう

首を長くするように
上半身をリラックスさせたアドレスを心がけて

FWで“チョロ”が出てしまうアマチュアゴルファーの方のスイングを拝見すると、アドレスの状態から凄まじく力んでいるのをお見受けします。ゴルフ特有の緊張が及ぼす力みだけに無理もありませんが、それ自体がミスショットに直結している場合があります。

一番気をつけたいのは上半身にリラックス状態を作ることです。肩をスッと脱力させ、首を長く保った状態を意識しましょう。力みで首が詰まった状態では、可動域を狭め、良いスイングができません。またアドレスでは全体的にリラックスが必要ですが、一つだけおへその下の“丹田”を意識すること(腹筋に力をいれる感覚)。全身がうまくリラックスできるほか、副産物としてスイング軸をキープしやすい体勢とイメージが生まれるはずです。

過度な体重移動は必要なし!
スタンス幅の中でスイングを完結させる

FWのミート率が安定しない方はスイング中、身体の左右の動きが大きいことも考えられます。ゴルフスイングは背骨を軸とした回転運動で正しいスイングプレーンが実現できますが、身体の左右へ不必要な動きが発生すればするほどプレーンが安定せず、インパクトエリアを緩やかに長く保つことができません。

意識するべきはアドレスからフィニッシュまで、両足のスタンス幅の中でスイングを完結させること。良いスイングプレーンとインパクトこそが安定した飛距離を生み出しますので、過度な体重移動によるスピードアップを求める必要はありません。

注意!

スイング中の過度な左右移動はスイングプレーンの不安定に繋がります

COLUMN:
プロだってスイングに緊張感を持ちやるべきことに集中している

“練習場では打てるのに、コースではうまくいかない”というのがアマチュアゴルファーの皆さんによくある「ゴルフあるある」ですよね。それは私たちプロゴルファーだって同じ。
コースに出れば様々なロケーションが巡り、それと同じだけ様々な心境の変化が巡ってプレッシャーとなります。

そんな中でナイスショットを打つためには、やるべきことだけに集中すること。

普段の練習で意識していることを、コースでもただ実践するのみです。ショットを乱すのは結果を恐れ、ボールの行方を追ってしまうこと。まずは結果に囚われず、今できるスイングに全力で集中することが大切です。

いい感覚をモノにするなら“ドリル”が一番!

FWがうまくなるために青木 瀬令奈プロは日々、どんな練習をしているの?

練習場を“いい球選手権”の自己満足の場にしてはいけない

皆さんは日々のゴルフ練習場での打球練習をどんな意識でされていますか。
例えば、今回のようにFWの苦手克服をテーマにするなら、ただボールをうまく打つだけでなく“ドリル”に積極的に挑戦してほしいと思います。
私はシーズン中でも課題を見つかれば、コーチとともにドリルに取り組むことも日常的にあります。ただ球数を重ねるだけでは根本的な解決になりませんし、何より練習場はナイスショットに浸る“いい球選手権”の場所ではありません(笑)。

ここではFWが上手くなれる“ドリル”を紹介しますが・・・。“ドリル”に取り組むことは、通常のショットとは違うトリッキーな動きになるだけに周囲の目が気になるはずです。大切なのはその目を気にしない勇気、そして意味ある実践力です。

全てのドリルは背骨にスイング軸をイメージしてください!

最後に!!自称ドリル王、大西 翔太コーチ登場!

青木 瀬令奈プロの帯同キャディ&コーチを務める、大西コーチがFW克服の渾身のドリルをご紹介!

DRILL1:ティアップ打ち

ドライバーの高さでティアップしたボールをFWで打つことで、プレーンの安定感を身に付けます。
見た目は簡単そうですが、FWはフェースがシャローなだけに難しいドリルです。

注意!

ティアップした高さでフェースをセットアップする:ティアップした高さ分、スイングプレーンも高い位置に移動します。ヘッドのセットアップはティの高さで構えるようにしましょう。

NG!

ソールして構えないように!

DRILL 2:直ドラ

直ドラは最もミート率の精度が問われます。普段から直ドラに取り組んでおくことで、FWに対する耐性を身につけておけます。
また直ドラは新たなドライバーを手にした時の機能チェックとしても有効。
いまいち合っていないドライバーはうまく打つことができません。

DRILL 3:ホウキドリル

スプリットハンドでグリップし、ホウキを払うように振りましょう。
適正な腕のローテーションと長いインパクトゾーンをイメージすることができます。

スプリットハンド

両手をグリップの上下端に握るドリル。
スイング中の腕の使い方をマスターできるグリップです。

DRILL 4:ボールの前後にテープ(目印)を貼ろう

前ページの青木プロのインパクトイメージにもあるように、仮想のボールを5個全て打つような長いインパクトゾーンが理想的です。
ボールが実際に打てればいいのですが危険。ボールの前後に目印となるテープを貼り、ボールとテープを払い打つようなイメージで振ってみましょう。

インパクトゾーンを長く保つコツ

ダウンスイングではクラブを身体に引きつけるのではなく、できるだけ遠くに保った距離間を維持したまま下ろすようにイメージしましょう。

DRILL 5:タオルドリル

ボールの正面前方にタオルをセットし、それに当たらないように意識することで正しいスイングプレーンを作っていくことができます。
インパクトゾーンを緩やかに長くするためにはイントゥインが理想的。
過度なインサイドアウトやアウトサイドイン(タオルに当たる)はインパクトが1点になってしまうので、意識して矯正していただきたいです。

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