11月頭、北海道にゴルフへ行ってきた。
素晴らしい紅葉とコースコンディション、オンシーズンに負けないクオリティの贅沢な空間が私たちを出迎えてくれた。
北海道の11月は晩秋から初冬への変わり目にある。日中の最高気温は約10度、夜は5度以下に冷え込むので、いわゆる真冬のゴルフスタイルで臨むのがベストだ。コースによっては紅葉が真っ盛り、広大なロケーションとともに圧巻の景色がゴルファーを迎えてくれる。秋冬という時期的にもグリーンが最速のスピードになっているため、難関コースがトーナメント仕様さながらの難易度で迎えてくれる。
ゴルフ場はその年の気候条件によってクローズ時期に若干の変化はあるものの、札幌〜千歳エリアでは11月第3週目辺りからクローズが開始される。例え降雪がなくとも、来シーズンのコンディションに備えて芝の手入れ期間を要するためだ。
オンシーズンである夏場の北海道ゴルフは言わずもがな繁忙を迎え、希望のコースのプレー予約が思うように取れない場合が多々ある。来年はシーズンをあえて避けた晩秋〜初冬の北海道で美しい紅葉ゴルフを満喫するプランをぜひ推奨したい。この短い期間限定の贅沢な空間からは、また新たなゴルフの愉しみ方が発見できるというものだ。
日本を代表するコース設計家・井上誠一氏が手がけた北海道のゴルフ場の代表格に挙げられるのが名門・札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース。歴史あるANAオープンの開催コースとしても、あまりにも有名だ。千歳から札幌への動線である36号線沿いに位置し、コース前を通る度に試合の名シーンや過去にプレーした経験ある情景を思い返す。そんな名門コースを今旅では運よく予約できた。
クラブハウスを出ると広大な景色にいつも感嘆する。もちろんコースも広大だがティショットから1打1打に精度が問われるロケーションに馴染むまでに時間を要してしまうのが、コースから実力不足を告げられている感じがしていつも悔しい。
輪厚コースは今年改修工事がされ、所々に新たな池やバンカー、クリークが配置された。ホールによってはそのハザードがさらなるショット精度を要求してくるので、攻略アドバイス&ルートをキャディさんに忘れずに聞いていただきたい。傾斜の強い高速グリーンは芝目があり、ラインの選定、ストロークのタッチが難しい。しかし、その1ホールともに気の抜けない難関さが、輪厚でプレーしている特別感や悦びそのものになる感覚をいつも感じる。時間を作り北海道ゴルフに来て良かったと、心から思える瞬間だ。
[ 18H・7063Y・PAR72 ]
北海道北広島市輪厚77
TEL.011-376-2231
Hole No5[ 520Y・PAR5 ]
ほぼ直角に曲がる右ドッグレッグのロングホール。サードショットで砲台グリーンを狙う際に手前の木が阻むため、しっかりとそれを避ける右サイドにセカンドショットを打っていく技術が要求される。ショット精度、マネジメントのスキルがスコアに直結するハンディキャップ1の難ホールだ。
Hole No17[ 579Y・PAR5 ]
優勝争いが展開されるANAオープンでお馴染みのロングホール。セカンドショットで林越えとなる2オンを成功させれば、イーグルorバーディでスコアを縮めることができるが、失敗する危険性もあるギャンブルホールだ。ロングヒッターは勇気のショットにぜひトライして欲しいが、堅実に刻む場合もショット精度が要求される。
Hole No18[ 410Y・PAR4 ]
コース改修で新たにクリークが新設された18番。緩やかに打ち上げていくフィナレーホールとともに、段差のある3段グリーンが難易度を上げてくる。ANAオープンではプレーオフで、大槻智春がセカンドショットをそのままカップインさせて劇的な優勝。ここをプレーすると男子ツアーのレベルの高さに感嘆する。
札幌国際カントリークラブ 島松コースは、白樺、なら、くりなどの自然林の紅葉がとにかく美しい。日本女子ツアーの北海道meijiカップが開催され、トーナメント取材で足を運び、アップダウンある地形、タイトでショット力が要求されるロケーションなど、難易度を女子選手たちのプレーを通して感じていた。実際にプレーしてみれば、その印象通り。悪いショットにはまるで実力足らずを押印されるよう(笑)。今旅の初見プレーでその特性が知れたからこそ、再攻略に訪れたくなる。
傾斜が強く芝目のあるグリーンは、やはりここでの経験値とこれまで得た実戦経験で培った攻略スキルの差がスコアに反映される。ちなみに2006年から開催されるmeijiカップで2度勝っているのは不動裕理とフォンシャンシャンの実力選手2人のみ。いかに島松の攻略がトッププレーヤーにとってもシビアかが伺える。早くリベンジの機会を得たい。
[ 27H・10327Y・PAR108 ]
北海道北広島市島松49-5
TEL.011-376-2221
Aコース
Hole No7 くり[ 391Y・PAR4 ]
打ち下ろしの左ドックレッグホール。グリーン手前に大きな白樺があり、容易にピンを狙わせてくれない。左サイドからの芝目もあり、気が一時も許せない。
Aコース
Hole No3 しゃくなげ[ 564Y・PAR5 ]
ティショットで左サイドのOBを警戒しつつ堅実に右サイドから攻めていきたいホール。ロングホールだからといって、距離を安易に稼ぎに行くと、スコアにならない。
[ 18H・7116Y・PAR72 ]
北海道苫小牧市植苗577-1
TEL.0144-57-5757
ニッポンハム レディスクラシック開催

[ 18H・7467Y・PAR72 ]
北海道小樽市銭函3-73
TEL.0134-62-5051
ニトリレディスゴルフ トーナメント開催

[ 27H・10335Y・PAR108 ]
北海道札幌市南区滝野213 番地
TEL.011-591-5361
大東建託・いい部屋ネットレディス開催

今旅で絶対に訪れたいとリクエストを出していたのがザ・ノースカントリーゴルフクラブ、長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ開催コースだ。前に一度別取材で訪れたことがあるが、北海道を象徴する大自然の雄大さ、美しさが脳裏に残っていたからだ。
コース設計者は青木功プロ、自らが戦ってきた“オーガスタの華やかさ”、“セントアンドリュースのタフさ”を兼ね備えた集大成のコースだ。その広々としたホールロケーションにも、確かなショットルートを要求するマネジメントが必要となる。とくにコースの美しい景観の一部となっている8つの池が要所で攻略を絡み、ショット精度と勇気が問われて毎ショットがスリリング。狙いが成功したときの悦びはひとしおだ。
新千歳空港から車で約15分の好立地で北海道ゴルフ旅のオープニングにもフィナーレにも感動的な空間だ。“ノース”は必ずいい思い出の幕を約束してくれる。
[ 18H・7093Y・PAR72 ]
北海道千歳市蘭越26番地
TEL.0123-27-2121
Hole No16[ 184Y・PAR3 ]
池に囲まれた美しいアイランドグリーンがプレーヤーに緊張感を与える。来年に皆様が訪れた時、ナイスオンできることを祈ります。
日本で初のオールベントコースで高低差5メートルのフラットな自然の原型を生かしたレイアウトは、北海道=広大=ノース、北海道ゴルフの象徴そのものである。
Hole No7[ 158Y・PAR3 ]
バンカー内に北海道をかたどった花壇(5月上旬から10月初旬)があるインスタ映えスポットだ。
[ 27H・10457Y・PAR108 ]
北海道苫小牧市植苗291番地
TEL.0144-58-2011
新千歳空港から車で15分の好アクセス!

[ 54H・20780Y・PAR216 ]
北海道苫小牧市植苗341
TEL.0144-55-5545
バラエティに富んだ選べる3コースが楽しい

[ 27H・10195Y・PAR108 ]
北海道夕張郡由仁町山形132番地
TEL.0123-83-3400
北海道ならではの雄大なロケーションは必見!

取材協力=北海道公式観光サイト HOKKAIDO LOVE! LINE公式アカウント、北海道観光振興機構




撮影=田中宏幸
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