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今月のゴルフ愛 最後の一滴「運と幸。」

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ゴルフとは、「運不運」と「幸(しあわせ)」の糸が織り敷かれて作られている。運不運に一喜一憂しつつ、たまに訪れるナイスラウンドに幸せを感じてしまうからゴルフはやめられない。

右に飛び出したボールは雑木の茂みへと一直線。「コーン♪」と小気味の好い音が響けば希望が持てる。が、「ザザっ… 」と本来聞こえるはずのない音を聞いたなら、その生存確率は極端に低くなる。「神様お願い!」と落下点付近に向かってダッシュ。目を皿にしてボールを探すも見つからない。思わず虚空を仰ぎ見るが、其処に打ったのは僕である。神様のせいにするのはやめて、再び神様の力にすがることを考える。

4メートルほどの下りのラインを真剣に読む。小さくヘッドを引いて打つ。トロトロゆらゆら… もうひと転がり!「ガンバレ!」と思わず声が出る… カッコ~ン♪… 思わずガッツポーズが出た。「ラッキー!ボギーです!」

「運」は神様任せ。でも、「幸」は自力で呼び寄せるもの。これを知るゴルファーは存外多い。暫定球を採用して4打目をグリーンに乗せたのは、運か実力かは微妙だが、練習場で色々試してきたのだから、「運」が味方してくれたのかもしれない。件のパッティングは、「たまたま」かもしれないが、練習を重ねて入れたパットでもある。そんなこんなの全てを一緒くたにして心に滲み出てくるものが「幸」の正体だろう。

今年も初日の出を拝み、その足でいつもの神社へと向かった。去年の「幸」に感謝して今年の「もうひと転がり」を八百万の神にお願いする。

正月返上で受験勉強に取り組むお子様を身近にするゴルファーも多かろう。努力せずに「幸」はない。最後のひと転がりに「運」があるならば、「ガンバレ!」のエールは「もうひと転がり!」の祈りでもある。

新年早々色々とありましたが、
皆様にとって良い年でありますように。
重ねて、この度の震災で
被災された方々には
心よりお見舞い申し上げます。

 

内本浩史(うちもとひろし)
BUZZ GOLF 主筆

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