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機能はあえて変えるべきじゃない。進化すべきは、ゴルファーが感じる感覚的要素に尽きる。|今月はとことんアイアン号!【3】FOURTEEN

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時は2022年夏にまでさかのぼる。
この場所はフォーティーンの研究開発室。
とあるニューモデルの企画に関して激論している現場をキャッチすることができた。

黒澤孝康さん
株式会社フォーティーン 開発部
くろさわたかやす。アイアン、ウェッジなど主に単一素材構造によるフィーリングが重視されるプロダクトを担当するフォーティーンの“鉄職人”。

池田純さん
株式会社フォーティーン 企画部
いけだじゅん、「TB-5フォージド」企画者。創業者・竹林隆光氏が大切にしていたプレーヤー目線であり、アマチュアゴルファーをターゲットとしたクラブ企画のイズムを受け継ぐ。

議論
ターゲットプレーヤーに対して
完璧な性能を誇った「TB‐5フォージド」が
歩むべき進化

議論となったのは「TB‐5フォージド」(2020年11月発売)の後継機にあたる新作の開発についてだった。キャビティ構造を独自の発想・技術で進化させた『シアターブレード』を生み出し、打感・やさしさをトレードマークとした新感覚の軟鉄鍛造アイアンは発売から4年が経とうとする、いまもなお売れ続けているロングセラーモデルであり、フォーティーンのアイアン史上最高の販売数を誇っているという。いよいよ今年秋、多くのファンが待望していた新作が発売されるわけだが、いかなる進化を歩んでいるのか気になるところ。フォーティーンらしい進化の着眼点に注目していただきたい。

黒澤 「TB‐5 フォージド」、多くのゴルファーに支持をいただいているアイアンだけにどういった性能進化を歩むべきか、悩みどころです。
池田 色々試行錯誤した結果、たどり着いた確かな答えは…機能に関しては、むしろ変えないでいいと考えている。
黒澤 シリーズの新作なのに変えないって?
池田 いや、むしろ変えるべきではないとまで思っている。
黒澤 !?
池田 「TB‐5フォージド」というアイアンは、やさしい軟鉄鍛造を手にしたいニーズをど真ん中で捉えている性能だからこそ、多くの支持をいただいた。つまりターゲットプレーヤーに対して完璧な性能であることは確実であり、そこは変えるべきではないと言うのが、私の想いなんだよね。
黒澤 なるほど…。例えば安易に“飛距離性能を向上”をテーマにすると、「TB‐5フォージド」の真価であるやさしさ・打ちやすさは維持することができない。
池田 そう、機能に何かスパイスを入れると、必ず何かが損なわれるわけ。すでに機能的に完成している「TB‐5フォージド」に、あえてその機能を崩しかねないその作業は必要ない。
黒澤 「TB‐5フォージド」が歩むべき進化が見えてきましたね。まず、やるべきことは前作のユーザーからフィードバックした改善点を全てクリアにすることですね。
池田 もちろんそれは絶対。そして絶対に進化させたいのは打感、そしてよりベテランプレーヤーを意識した構えやすさ。性能を維持しながらゴルファーが感覚的に感じる要素をさらに向上させてほしい。軟鉄鍛造アイアンの絶対的価値観は単一素材構造がなし得るフィーリングの良さにあるからね。
黒澤 完成された性能維持(機能)、歩むべき性能進化(感覚的要素)。新たな「TB‐5フォージド」は、また多くのゴルファーを魅了できる性能に必ず仕上げてみせます。

基礎知識
「TB-5フォージド」とは?

単一素材構造の軟鉄鍛造アイアンにおいて、上級者が構えやすい形状、やさしく高弾道が打てるフィーリングと機能性の兼備を追求したモデル。2020年11月に発売になり、今もなお売れ続けているフォーティーン史上随一のロングセラーモデル。

シアターブレードとは?

アイアンにおいてやさしさの構造・キャビティバッグの進化を狙った独自の形状。企画者・池田さんがキャビティアイアンを自らの手で思いのまま削って原型を創造していった。バックフェース部の湾曲形状がまるで劇場のよう、とシアターブレードと称された。

ターゲットプレーヤーは同僚?

企画者・池田さんがプロを目指してアメリカに留学していた20年以上前からの付き合いである営業部・中嶋元さんが「TB-5フォージド」のターゲットプレーヤー。若い頃使用していた鋭い軟鉄鍛造の雰囲気に、もっと楽にプレーしたいというベテランプレーヤーの中嶋さんのニーズを組み込んだアイアンだ。

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