ゴルフはメンタルのスポーツ。そう分かっていても、バンカーに入った瞬間だけ余計な力が入ってしまうもの。とくにバンカーショットを苦手とされている方はそんな経験だらけのはずです。グリーンまわりの砂を前にすると、「絶対に一発で出したい」「寄せたい」という気持ちが強くなり、スイングが小さくなったり、急いでしまったり・・・。メンタルの弱さがスイングを乱れさせてしまうのです。
今回提案したいのが「バンカー直前の食トレ」です。ポイントは、「食べて栄養をとる」というよりも、口や体を使って集中状態を作ること。スポーツ心理の研究では、一定のリズム動作やルーティンが緊張を整え、パフォーマンスの安定が期待できると知られています。
ボールがバンカーに入ったとき。バンカーショットへ臨む動線で、ガムやナッツを軽く噛むという動作を取り入れてみてください。咀嚼は脳への血流を高め、覚醒度や集中力を高める可能性があると報告されています。プロ野球選手が試合中にガムを噛むのも、こうした効果を期待しているのです。
もう一つ簡単なのが、一口の水分補給です。水やお茶をゆっくり飲み込むだけでも、胃腸に刺激が伝わり、自律神経のバランスが整いやすくなります。緊張で呼吸が浅くなっているときほど、この一口が体を落ち着かせるきっかけになります。
一口や一噛みを合図に、
深呼吸を三回。
呼吸が整うと自然と
身体のリズムも落ち着いてきます。
毎回同じ手順を踏むことで、
「バンカー=嫌な場所」という意識が、
「いつものルーティンを行う場所」に
変わっていきます。
食べること、噛むこと、呼吸すること。
小さな動作は、身体の緊張をゆるめ、
感覚を整えるきっかけになります。
自分だけの〝バンカー直前食トレ〟を
決めてみてください。
一噛み、一口。その小さな習慣が、
バンカーでの落ち着きに
つながっていくはずです。
石松佑梨
いしまつゆり。管理栄養士、数々のトップアスリートたちをサポートする食トレのスペシャリスト。著書の「過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー」(かんき出版)はアスリート必携の1冊だ。
参考文献=Chuhuaicura P. et al.
Mastication as a protective factor of the cognitive decline in adults: A qualitative systematic review.
International Dental Journal, 2019
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31140598/
※咀嚼と脳機能の関連についてまとめたレビュー
イラスト=石松佑梨(Ai使用)
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