PRGR The IRONS を語り尽くせ。

アイアンブランド「PRGRアイアン」がスタートして丸3年の月日が経つ今春、01、02アイアンがリニューアルされた。
この新たなプロダクトのヘッド計測をしてみると、今後、アスリートアイアンの指標となる新たなパフォーマンスのあり方が見えてきた。

スイングに応じた
ボールコントロールを可能にできる
アイアンを選び出せ。

NEW PRGR 01、02アイアンのヘッド測定を担当したクラブエンジニアの松吉宗之さんがその性能から見たアスリートアイアンの新たな選び方とは。

「01」、「02」はほぼ同じ
ターゲットプレーヤーを
狙っているアイアン

「PRGR 01アイアン」、「同02アイアン」ともにコンパクトなヘッド形状で機能が追求されていて、アスリートマインドなモデルであることがすぐに伺える。両アイアンの機能を見分ける一つの基準としてロフト設定が挙げられる。「01アイアン」は7番で32度、「02アイアン」は30度。やや「02アイアン」が飛距離に有利だが、これらロフト設定は“飛び系アイアン”には当てはまらず、飛距離性能は両モデルともにスタンダードである。

ヘッド設計で注目したいのはフェース面上の重心位置がトゥヒール方向のほぼセンターに近づけられていることだ。シンプルにフェースセンターでボールを構えてセンターでボールを打ち抜きたい、そんなオートマチックな感覚を持つプレーヤーに機能が寄り添っているのがわかる。

重心距離、重心高さは2モデルともほぼ同じ数値であることも、ターゲットプレーヤーがほぼ同じであることが伺える。ターゲットはクラブにお助け機能を求めすぎないアスリートプレーヤー。つまり自らのパワーやスキルでボールをコントロールしたい感覚にクラブ機能が邪魔しすぎない“ほどよさ”が、この2モデルの特徴そのものだ。

01 IRON NEW

ヘッドサイズにマッチした素直な重心性能。長く培ってきたスイング技術をフルに発揮できる性能を持つ。コンパクトなヘッドサイズに対して慣性モーメントが十分に確保されているため、安定した飛距離性能が期待できる。

●素材製法／軟鉄（S20C）鍛造
●価格（税込）／5本セット（#6-9、P）126500円、単品25300円（#4、#5）

●測定結果（#7）
●ロフト角/32度
●ライ角/62度
●重心角/11.5度
●FP/5.1mm
●重心深度/4.0mm
●重心距離/37.9mm
●重心高さ/18.9mm
●ヘッド重量/268g
●MOI/2293g・㎠
※ジューシー測定

プレーヤーが辿ってきた
スイングの変遷で
ベストなモデルは異なる

「01アイアン」、「02アイアン」ともターゲットプレーヤーがほぼ同じなら、構えた形状の心地良さや飛距離性能でベストを選択してもいいが、そんな当たり前な選び方だけでは少々勿体なさを感じてしまうほど、この2モデルは似て非なる特性を持っている。注目したいのは重心角と重心深度だ。

「02アイアン」は「01アイアン」より重心角が大きく、重心深度が深いことがわかる。ヘッドターンのしやすさが機能化されているのだ。ドライバーで考えるとわかりやすいが、現在主流の大慣性モーメントモデルは重心角が大きく重心深度が深い。その特性を活かすためにスイングにはシャットフェースを維持して積極的にターンを促さない方法が注目され、それを意識してスイング改造に取り組まれたことがある方は少なくはないはずだ。「02アイアン」はまさにローテーションの少ないスイングに相性良く、自然とボールを捉えられるドローバイアスのような機能を発揮する。対して「01アイアン」は素直な重心特性で、フェースの開閉にも十分に対応し、熟練されたテクニックに応じてくれる。重心特性に見られるその機能の違いは明らかだ。

スイングの取り組みや変遷でベストなモデルは変わってくる。「PRGR01アイアン」、「同02アイアン」はアスリートゴルファーにベストを提供できるアイアンだ。

02 IRON NEW

重心角の大きさ、重心深度の深さなど、飛び系アイアンで表現されていた機能がコンパクトなサイズのヘッドながら見事に機能化されている。大慣性モーメントドライバーを心地よく使いこなすプレーヤーのスイング特性（ローテーションが少ない）と相性がいい。

●素材製法／フェース：ニッケルクロムモリブデン鋼（圧延）、ボディ：軟鉄鍛造、ウェイト：タングステン合金
●価格（税込）／5本セット（#6-9、P）126500円、単品25300円（#4、#5）

●測定結果（#7）
●ロフト角/30度
●ライ角/62度
●重心角/12.9度
●FP/3.6mm
●重心深度/4.4mm
●重心距離/37.9mm
●重心高さ/18.9mm
●ヘッド重量/267g
●MOI/2463g・㎠
※ジューシー測定

解説／
ジューシー（株）
松吉宗之

まつよしむねゆき、フォーティーンで数々のプロダクトの設計を担当してきたクラブエンジニア。現在はジューシーを起業してオリジナルクラブの開発製造を手がけている。

問い合わせ／株式会社プロギア　TEL0120-81-5600