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雨が降れば水溜りになったゴルフ場のバンカー、よく出くわしますよね…。

2023.04.24

大雨が降った後に訪れるゴルフ場は、あらゆるエリアで幾日に渡り水溜りができている。私たちプレーヤーはそんなライの悪条件下を残念に思いながらもやむなくラウンドしているが、そんな残念な思いはもちろんゴルフ場も理解している。

「水溜り箇所としてとにかく目立つのはバンカーです。暗渠排水は設備していますが、年月とともにその機能が衰えてきたことが最大の理由です」と話すのは、茜ゴルフクラブの山本昌信さんだ。暗渠排水とは地面に排水管を敷き、管周囲を砂利で囲って雨水の通り道を確保して管へ排水を導く方法だ。しかし経年で細かくなった砂が雨水とともに菅に流れ込むことで起きる目詰まりが今日の水溜りの原因となっている。

「雨量が多い地域にある当コースでは、従来の暗渠排水では水が引けるまで4、5日はかかってしまう。良い改善策はないか、いつも模索していました」。夜須高原カントリークラブの小川内秀雄さんの言葉だ。これから日本列島は梅雨時期が訪れる。まして昨今は異常気象によるゲリラ豪雨も多発し、多くのゴルフ場を悩ませている。

［夜須高原カントリークラブ］の場合

福岡県朝倉郡
雨が多い当コースは100ミリ、200ミリと降り続くこともあり、その度にバンカーには5日間ぐらい水溜りができてしまう。排水の検討はしてきましたが、1日70組のプレー数と休場日がない状態のため、従来の暗渠排水は無理。通常だと1週間かかる工事が『ドレインベルト』は約半日で終了する。これから様々な箇所での排水改善をこのシステムに期待しています。

水捌けを改善するには排水工事を講じるしかない。ただ従来の暗渠排水法では約１週間の工期を費やすため、通常営業中では物理的に実施できないのが改善に至らない理由だ。今回訪問した２コースは約1年前に地域のグリーンキーパー会で披露された「ドレインベルト」と出会いすぐに効果検証に導入。幅20センチ、厚さ2ミリの塩化ビニールシートで、水を吸い上げて排出するという従来にはない新たな排水システムだ。

「即採用したいとコースに懇願しました。一番状態が悪かったバンカーに導入して検証。5日かかっていた排水が約１日となり効果はてきめんでしたし、何より施工時間が約半日と施工期間の懸念をクリアに出来ることが導入の決め手でした」（夜須高原CC・小川内さん）。

「通常の暗渠排水工事は大掛かりですが、『ドレインベルト』は場合によって時短かつ手作業でもOK。掘った砂をそのまま埋め戻せるため工程がイージーかつシンプルです」（茜GC・山本さん）

「ドレインベルト」を導入した両コースは、雨季の効果検証を重ねながらバンカーだけでなくフェアウェイ、ラフなど新たな水溜りエリアの施工を進めていく予定だという。最高のプレー環境を提供したいと邁進するコース管理にとって、「ドレインベルト」は救世主になる。

［茜ゴルフクラブ］の場合

福岡県飯塚市
1日に100ミリの雨が降ることもあり都度バンカーの修繕が悩みでした。暗渠排水の劣化によって生じる水溜りによって低い箇所に砂が流れ込み、バンカー内にその筋ができてしまうほど。『ドレインベルト』を採用して砂流は改善されました。大掛かりな工事を必要としないのもゴルフ場管理にとって理想。順次設置工事を進めています。