
特集

2025年、シーズン折り返しを過ぎていわゆる「トルクフリー(ゼロトルク)」系のモデルを発表するパターブランドが急増。
いよいよ無視できない存在になってきました。
そこで今回は改めて、「トルクフリー(ゼロトルク)」のメリットとは何かを解説します!
「トルクフリーのメリットは、慣性モーメントの大きなパターヘッドの特性を活かしやすいことにありますね」と説明するのは、今、国内女子ツアーでパターコーチとして活躍中の鴻上みらいさん(以下みらいコーチ)。巷ではパターに悩んでいる人用、イップスになった人用なんていう声もあるけれど、その辺りはどうなのだろうか?
「感覚的に使いにくいというプレーヤーがいるというだけで、このパターが感覚を出せない人向けであるわけではありません(笑) むしろ、トルクフリーパターを使うことで、再現性の高い正しいパッティングを習得できると私は思っています」(みらいコーチ)
プロツアーでの使用率はそれほど高くはないが、練習グリーンでトルクフリーパターを使っているプレーヤーも実はいるのだという。
「オデッセイパターでいえば、バックストライクやトゥアップパターの延長線上にあるのがスクエア2スクエアモデルになります。ストローク中にフェースがラインに対してスクエアに戻りやすいため再現性を高く、そしてヘッドの高い慣性モーメントによって多少の打点ズレでも一貫した転がりが得られるのが、トルクフリーパターのメリットだと思います」(みらいコーチ)
ミスにやさしいパターヘッドをいかに構えやすくできるか? それがパターの開発史の一端でもある。その最新アイデアがヘッドの重心付近にシャフトの中心軸を近づける、という構造なのだ。
写真=aflo
アダム・スコットを筆頭に、リッキー・ファウラーや2025年の「全米オープン」を制したJ.J.スポーンがL.A.B.GOLFのトルクフリーパターを使って話題となった2025年。独自のグリップやRISERホーゼルを高慣性モーメントヘッドに装着して生み出す「ライ角バランス」が話題だ。現在、多くのパターブランドから手法は少しずつ違えど目的は同じと思われるパターが続々と登場している。
最新のオデッセイ「SQUARE 2 SQUARE」は指の腹でスイングバランスを取ると、ヘッドのトゥが真上を向く。このストローク中にフェースが開きにくいバランスを活かすために考案されたのがヘッドの重心付近からシャフトが伸びる構造。他のクラブにないこのシャフトとフェースの在り方が「使える!使えない!」の大きな争点ともなっている。
例えばオデッセイの定番マレットヘッド#7には、ロングネックやダブルベンド、ショートスラントや「SQUARE 2 SQUARE」まで揃っている。その理由は「まずネックの形状でヘッドの見え方が大きく変わる点が大きいです。次にシャフトの位置でボール位置やグリップと体の位置が変わってきます。つまりアドレスが変わる。そこが構えやすさに関わる大きなポイントです。そして重心アングルが変わるのでストローク中のフェース開閉が変わってきます」(みらいコーチ)
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