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メジャー王者のスイングをAnalysis!方向性と再現性に優れたプレッシャーに強いスイング

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体と腕をシンクロさせ
再現性を高める!

古江彩佳選手は精度の高いショットを武器に、女子メジャー・エビアン選手権を制しました。そのショット精度の高さの要因は、基本に忠実なスイングにあります。ゴルフスイングにはさまざまな基本がありますが、その中でもスイングの再現性に大きな影響を与えるのが、〝体と腕のシンクロ〞です。古江選手は両肘と胸の3点でできた空間をスイング中にキープしたまま、体の動きでクラブをコントロールしているためショットの方向性が優れて
いるのです。古江選手は〝体と腕のシンクロ〞に加え、垂直軸を中心とした体の回転運動の加速によって、方向性と飛距離を兼ね備えているのです。

地面反力を使い
スピードアップ!

古江選手のスイングは腕の運動量が少ないため、トップがコンパクトな位置におさまるため、切り返しで腕を振り戻す動作の必要がなく、静かにクラブを下ろすことを可能にしています。ダウンスイングは下半身から始動、体を動かす順番の「運動連鎖」が適切になっています。切り返しを下半身から行うことで、地面反力を使って飛距離を伸ばすことが可能になります。今シーズンに約10ヤードも飛距離が伸びたことは、下半身の動きが良くなってい
る影響と私は推測します。

ダウンスイング中盤では右ひざが左ひざに寄り、垂直軸を中心とした回転を行っています。インパクトではおへそが目標方向を向くほど腰が回転、肩の回転量も多くなっています。右足で地面を押しながら左かかとに体重をかける動きは、竹トンボを回す動きと似ています。中心軸に対して左右で逆方向の力を加えることで軸回転を速くすることができるのです。この原理によって、左右の足で中心軸を回転させ、力に頼らずに体の回転速度を加速できるのです。スイングテンポがスムーズなため力感が感じられないにもかかわらず、飛距離が出ているのは地面の力を効率よく使っている証拠です。

体と腕をシンクロさせて基本をしっかりと抑えつつ、飛距離を伸ばす要素も取り入れているスイングは、方向性と再現性に優れたプレッシャーに強いスイングといえるでしょう。メジャータイトルにふさわしい素晴らしいスイングです。

解説文
吉田洋一郎
よしだひろいちろう、世界のあらゆる最新ゴルフスイング理論に精通するゴルフスイングコンサルタント。

写真=aflo

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