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BUZZ GOLF 2024年9月号 発行
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私、編集長Gはマーク金井さんという人をリスペクトしている。出会ったのは今から約20年も前だろう。当時からゴルフクラブに関しては“ご意見番”的存在であり、鋭いサングラスをかけたそのキャラ、そして力強い関西弁も相まって若干コワモテでもあった。もともとゴルフ雑誌で編集・記者経験もあり、どんな内容にすれば読者にわかりやすく核心を伝えらえられるか、取材を通して私を含めた当時の若い編集者に説いてくれたのもマークさんだ。さて、マークさんが拠点とする東京・神田のアナライズに足を運ぶのは約5年ぶり、初めて訪れた時の緊張感が蘇りつつ、鉄の扉を開いた。
Guest/クラブアナリスト
マーク金井さん
職業・マーク金井、ゴルフ芸人&YouTuberだ。その活動の源は「クラブアナリスト」。クラブを忖度なく評論し、いいと思ったクラブを自らで作り、スコアメイクというゴルフの本質を通したクラブ論を啓発している。
──ご無沙汰しております、アナライズに訪問するのが久々過ぎて、初めて取材に訪れた時の緊張感が蘇りました。
金井 何を今さら(笑) 今日のテーマは何?
──改めてご意見番が注目しているギアは何かって、シンプルなテーマです。
金井 私は“ヨイショ”が嫌い。なんでもかんでも褒めまくるのって性に合わない。ただ、あえて注目を挙げるとしたら、フジクラの新作かな。別にPVに私が出ているから、というわけじゃない。恒例の抜き打ち試打1発目から真芯食って、あくまで私的だけど素晴らしかったから挙げざるを得ない。ちなみに私のエースは「スピーダーNXブラック」やし、私がシャフトを研究するきっかけを与えてくれたのもフジクラですわ。
──そこまで言われると“本音”だとわかります。フジクラ歴も長いですよね。
金井 フジクラと縁あって出会い30年超、プロゴルファーを含めて私が「スピーダー」を間違いなく一番打ってきた自負はある。一世を風靡した「757」や「661」は、よく打って研究を重ねたし、幾度も記事を書いてきた。
──今もなお「スピーダー」を愛用するマークさんが思う、「スピーダー」の魅力って何ですか?
金井 やっぱ、飛ばせるシャフトの代名詞じゃない。厳密に言うとシャフトに飛距離性能はないと私は思う。ただシャフトが振り感としてゴルファーに与える、“走り感”や“心地よさ”、“タイミングの取りやすさ”が飛距離に影響するのは間違いない。初代「スピーダー」はその名のごとく、プロでも初見では打ちこなせない“スピード違反な走り感”があって、シャフト=飛距離という価値観を確実に浸透させた。時を重ねても「スピーダー」は“飛ばせる”というマインドをゴルファーに与え続けているよね。オカルトチックやけどシャフトに対するエモーショナルな要素は、パフォーマンスには不可欠!
──マークさんも使用する最新「スピーダーNXシリーズ」はどんなシャフト?
金井 いくらスピード感があっても、シャフトが身勝手に動くようでは意味がない。つまりゴルファーがコントロールできる要素をうまく機能化しているのが「スピーダーNXシリーズ」。フジクラが様々な挑戦で成功と失敗も重ねてきたからこそ、飛ばせるシャフトの“本質”があるんじゃないかなって思う。うわ、褒め過ぎてもうた(笑)!
初代「スピーダー」(2000年)は、シャフトで飛ばせるという価値観を世に浸透させた名器。ただ100か0か、合う合わないもハッキリしていた。性能が突出すればするほど、使い手を限定するのだと十分に理解できた。
「スピーダーNXシリーズ」の初代ブルー(2021年)を初めて打った時、私は「ベンタス風のスピーダーやん!」って発言したのを覚えている。スピード感もあるけど、「ベンタス」のような大人しい挙動の共存を感じたのが、私が発した言葉の全て。
私の現エース「スピーダーNXブラック」(2023年)。メーカーは先調子というけど、面白いことに私の感覚は手元調子に感じて、心地よく使用している。メーカーや批評家の言い分を尊重するよりも、自分の感覚を信じてシャフト選びしてほしい。
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