通常パー72のゴルフ場では、10ホールがパー4のミドルホール、4ホールがパー5のロングホール、4ホールがパー3のショートホールという18ホールで構成されていますよね。
そんな中、ドライバーを苦手とされている方、短い距離に安心感を持つなど、多くのアマチュアゴルファーの皆様は、アイアンで打てるパー3に安堵感を感じられているのではないでしょうか。
ですがパー3のショートホールというのは、私の感覚ではあまりやさしいホールはありません。とくに140ヤード以上の距離になると、ミドルアイアンやユーティリティを活用しなければならず、ショットの難易度的にもやさしくはありません。
例えばプロの場合、パー5ロングホールは、バーディの確率が飛躍的にアップします。それは3打目がグリーンに近いエリアから打てるからであり、PW以下の短い番手の高い精度でピンを狙っていけるからです。
じつはパー3ショートホールは、ツアーでもあまり平均スコアはよくありません。ティショットを打つ心がけは、できるだけグリーンのセンター狙いを優先していただきたいのです。距離計によりピンまでの距離情報を知るのはもちろんOKですがピンをターゲットとすると、ピン情報が手前、奥、左右に位置している場合はナイスショットをしたとしても、グリーンを外す確率が高くなるからです。
できるだけ2打目はパターで打ちたいのが本音。ウェッジショットよりもパッティングの方がカップに寄せる確率が高く、とにかくオンさせることが大切なのです。
短いホールだからといって侮ってはいけない。心がけとしては“ボギーならまだよし”、“ダボは叩くな”というマネジメントで挑んでいただきたいです。
東広野ゴルフ倶楽部3番ショートホールはアイランドグリーンの名物ホール。撮影にご協力をいただいた「イーグルビジョン(朝日ゴルフ)」の野口さんは、果敢に左サイドのピンを狙いナイスショット。しかしドロー気味に入った弾道は惜しくも左池に入ってしまいました。タイトなピンを狙うリスクか、センターを狙う安全策か・・・あなたはガッカリ野口さんのような結末を望みますか?
100ヤード超のパー3の場合、ショートアイアンで積極的に狙っていきたいですが、“短い=タイト”なロケーションが多く、安心はできません。
ショートアイアンという“左に引っ掛けやすい”性質を、うまくコントロールできる技術を日頃から練習しておきたいですね。
全てのグリーンを狙うショットは、やはりセンター狙いがセオリーです。縦横ともに、キャリーがグリーンにコンタクトできる一番大きいエリアを狙うことで、グリーンオンの安定度が高まるためです。
しかし、その安全策ばかりでは面白くない、というのもわかりますし、東広野ゴルフ倶楽部のようにグリーンが大きいゴルフ場では、超ロングパットが残るリスクもあります。
しかしガムシャラにピンを狙うのはもっとリスクがあります。残り距離がミドルアイアンやユーティリティの場合、ショットの精度、成功率がショートアイアンに比べて著しく下がってしまうからです。
私が推奨するのは、ご自身の自信のある番手に確実性の境目をしっかり把握して、技術を磨いておくことです。私の見立てではPW、もしくは9番アイアン以下までがその番手の境目として適当に思います。
長い間、ツアーキャディという立場から検証してみると、結果の出る選手はPW、9番アイアンの精度が非常に高い。8番アイアン以上のショットはそこそこでもいい、意識で取り組んでいるものです。
“ピンを狙う”、“センターを狙う”という確実な選択肢がわかりやすく番手で持てることで、より明確なショット技術の向上と好結果に繋がっていくのです。
ユーティリティで打ってピンに寄った・・・それはもちろん喜んでいいことですが慢心してはいけない。その次のチャンスホールで、もしPWでグリーンを外せば結果論、相殺以上にゴルフの質は悪いと言えます。
アマチュアの皆様はピンを積極的に狙える番手として、PWまでの精度を高めるように意識して練習に励みましょう。
例えばロングホールの2打目、残りピンまで250ヤードある場合、どんな選択をしていきますか。この場合、プレーヤー個々によって正解は変化します。
ショット技術が巧みな上級者の場合、3打目をマネジメントする意識を持つことを推奨します。まず一つ、いわゆる得意な番手の距離を残す方法、があります。
ショートアイアンが得意な場合は率先して、その距離を残したい。フルショットで打っていけるためスピンが効かせられ、ピンハイでボールを止められるからです。
ウェッジが得意な方はできるだけグリーンに近づけるのも手の一つです。ゴルフは“距離を合わせるスポーツ”。ピンを狙うショットをいかにご自分の得意で自信のあるショットに、確率を上げることがマネジメントに必要になるのです。
対してショット技術に自信がない初中級者の場合ですが、飛距離を稼ぐのではなく、自信が持てる一番芝上から飛ばせる番手を採用し、優先するべきは常に安全ルートを進んでいくことです。
プレーを重ねマネジメントで、3打目を意識できるようになったり、あるいはロングホール攻略のために必要なスキルに気づき上達を目指すことこそが、上級者への道を歩んでいる過程そのものだと言えます。
「イーグルビジョン ネクスト」は上級者ほど、マネジメントに活用できる機能が満載。最終的にピンに“距離を合わせる”ために、最適の攻め方は何か、マネジメントを楽しんでいただきたい。
直径10センチ(4.25インチ)のカップをシビアに狙うより、直径2メートルのドラム缶を狙う気持ちで狙ってみませんか。狙い、そして気持ちのハードルを下げることで、ストロークがスムーズになり、フィーリングが距離感に生きるようになります。
トップ選手のパッティング力は凄まじい精度を誇っています。グリーン上にオンさえすれば、どの位置からでもOKパット圏内に寄せる抜群の距離感、ロングパット力を持っています。
対して苦戦している選手は、同じ2パットでも質が異なります。ファーストパットで1メートル以上残してしまうケースが多い。もちろん次パットをカップインさせるのですが、そこに費やすメンタルの量が断然違うのです。
OKでお先に難なくカップインさせるトップ選手は次ホールに意識を移すことができ、1メートルを残し最後にカップインさせる苦戦選手は、最後までそのホールに神経質的な集中力を要求される。
この見えない差が結果を如実に表してしまうように思います。
スタートされる前の練習グリーンでは、できるだけロングパットの距離感を掴んでいただきたいと考えます。
多くのプロの場合、10歩、15歩と歩測を行い、その距離感を徹底して養います。この歩測をベースにしておくと、実戦で見た目だけなく歩測で距離感のイメージを確かなものにできるからです。
これは「イーグルビジョン」でショット距離を確かにすることと同じことに当たります。
ロングパットに自信が持てれば、自ずと2パットでのホールアウトが確実に近づきます。結果、気持ちにも安心感が得られ、ショットやアプローチにも余裕が生まれてくるのです。
ロングパット力は様々な好影響を及ぼし、劇的にスコアを変化させるスキルだと私は感じています。
スタート前の練習グリーンでは主にロングパットの距離感を養うことを推奨します。ですが闇雲に打つのではなく歩測10歩、または15歩という距離感のベースを養い、実戦で活かすようにしましょう。
スタート前、ショートパットの練習はもちろん行いたいですが、そこに注力すべきではないと考えます。ショートパットは日常生活の中、パターマットや絨毯の上などでも十分にトレーニングを積むことができるからです。
ストロークの質を上げることにも寄与するので、パターを手にする、ボールを転がすことを日課にしましょう。
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