桜木花道が残り0.1秒で放ったのは、バスケの基本のジャンプシュートだった。人気映画「the First Slam Dunk」のラストシーンである。ケンカで鍛え上げた肉体を武器に、ジャンプ一閃、スラムダンクを叩き込んで試合を決める自身の姿を夢見てバスケの道を選んだ。試合直前、彼は仲間の手を借りて2万回のジャンプシュートの練習をしている。その凄みの根っ子には、試合の極限下に生じる状態をリアルな感覚で認知する能力にあったと思う。ブザービーターが決まった瞬間、我々は真のバスケ愛に目醒めた桜木花道に感動するのである。
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