レッスン

名門辻村ゴルフ道場！スイングの回旋運動を促進させるのは股関節の可動域！

2023.08.30

──これまで3号にわたって辻村道場に潜入取材させてもらい、上田桃子選手や吉田優利選手らショットメーカーたちのスイングが、回旋運動で構築されていることがわかりました。
辻村　いかに質よくボールにパワーを伝えていくかが大切であり、その動きを一番邪魔してしまうのは身体の回旋に対して腕が単独で無駄に動いてしまうこと。身体と腕の一体感、そしてスイング軸を確固たるものにした回旋運動でクラブをコントロールする技術を、チーム辻村の選手たちは日常から強く意識して磨いています。

──私たちアマチュアゴルファーが少しでもスムーズに回旋運動ができるよう、何か意識するポイントはありますか？
辻村　じつは良質な回旋運動には、下半身の安定感が必要になります。例えば上半身の回旋運動を意識して取り組みながらも、いまいちインパクトが不安定になってしまうなら、下半身が必要以上にバタついていることが考えられます。

──飛ばそうと体重移動を過度に行なっているかもしれません。
辻村　不必要な動きは抑えるべきです。ゴルフスイングにおいて良い下半身のセットアップ条件は、まず骨盤を持ち上げて大臀筋、中臀筋といった腰から下の筋肉を緊張させること。しっかり股関節を可動させて、テークバックで重心を溜め込む受けが可能になり、スウェーなど不必要な横ブレを抑えます。

──選手が下半身に装着しているゴムチューブは、辻村コーチのいう下半身の制御を促す効果があるのですね。
辻村　「ジェリーバンド」を両足の膝上で巻くように装着し、その圧を感じながら両腿を広げることで、自ずとアドレスに必要とされる下半身の安定感が生まれ、スイング中にもスムーズな股関節の可動により、回旋運動を促す軸を形成させます。

──下半身に緊張感が必要なんですね。
辻村　その感覚は大切にするべきです。身体の重心移動は必ず起こって然るものですが、その動きはできるだけ小さなエリアで行うべきであり、動いているなら最小限に抑えるべき。ゴルフスイングの回旋運動は下半身の良質なセットアップ・安定感なくして成り立つことはありません。