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N.S.PROがカーボンシャフトで勝負する時が訪れた──。 企画者・栗原、新たな一歩への勇断。

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N・S・PROが
カーボンシャフトに
求めてきた飛距離性能――、
スチールとのマッチング。

この物語の主人公、企画者・栗原が日本シャフトのプロダクト企画担当を引き継いだのは今から12年前、アスリートシャフト「モーダス3」が発表されて間もないタイミングだ。
彼が最初に担当したのは当時、N・S・PROとして主力なるカーボンシャフトの企画だった。

「ツアー120」のパフォーマンスこそ、
最強に飛ぶという仮説が見事にハマり…

カーボンシャフトで勝負、その挑戦は今から約13年前にもあった。当時、N・S・PROの技術を結集させた「レジオ」だ。性能的には最高を自負したが、「N・S・PRO=カーボン」という価値観が存在しない中で苦戦を強いられた。“打ってもらえない=認めてもらえない”という敗北感を当時、栗原は味わった。

そんな営業活動の最中、いよいよ栗原がプロダクト企画担当としてデビュー。テーマは「レジオ」の後継モデルだっただけに、もちろんリベンジしたい熱い気持ちがあった。

「単純に飛距離性能といってもテーマなきプロダクトは価値を創造できません。日本シャフトの今に足りないものは何か? そして他にはない強みは何か? これまでにない着眼点を模索する日々を送る中、日本ツアーでデビューしたばかりの『モーダス3 ツアー120』で興味深い報告が、私たちに光をもたらしました」。

PGAツアー発信の「ツアー120」は、当時スチールシャフトの常識を覆す特性を持っているのは間違いなかった。とあるトッププレーヤーの“飛ぶ”という感想は、あまりにも奇想天外であった。

「スチールシャフトでも飛ばせる剛性だったら、カーボンだったら当然に飛ばせるという確信のもと、『ツアー120』同様のパフォーマンスを持つ新たな『レジオ』を企画しました」。

飛距離の開発意図は明確であり、そのパフォーマンスを実現させるために、最高の素材を惜しみなく採用した「レジオフォーミュラ」は大ヒット。後継機種となる「レジオフォーミュラB」はPINGのカタログスペックにも採用されて認知度を拡大させた。その後も特徴あるモーダスシリーズの性能を踏襲し、『ツアー130』と『M』、『ツアー125』と『MB』とラインナップを盤石にさせた。

ギアに詳しい方なら、N・S・PROブランドがスチールとカーボンのマッチングの重要さを強調しているのはご承知のとおり。とくにモーダスを愛用する多くのアスリートゴルファーには、わかりやすくセッティングのトータルマッチングで最大飛距離を「レジオフォーミュラ」で推奨できた。しかし・・・、N・S・PROというブランドは、圧倒的にスチールシャフトであるイメージは変わることはない。

「私たちスタッフも、カーボンシャフトをどこかスチールシャフトありきで考えてしまいがちな中、世間のイメージがN・S・PRO=スチールであって当然。そのイメージを払拭するためには、今こそメーカーが生まれ変わることが必然でした」。

栗原は12年前に自らがカーボンシャフトの未来を託されたように、新世代に全く新たなプロダクトの企画開発を託す勇断を決意した。

調子良くなれない
生真面目さ・葛藤
「レジオフォーミュラ」は「モーダス」シリーズとのマッチングをテーマにしたシャフトでしたが、時代のトレンドである40グラム台という軽量帯スペックもラインナップ。テーマと乖離したスペック展開も否めなく、それらがいかに優れていても、強く推奨できない生真面目さが、私たちスタッフの心情には間違いなくあった。私たちに足りないのは軽量帯カーボンの確かなラインナップであることは長年の課題でした(栗原氏)

定番スチールと一線を画した
「ツアー120」の斬新さ
当時のアスリートは猫も杓子もが定番スチールを使っていた時代。N.S.PROはPGAツアーのニーズにより、余分なスピンを抑制できる全く新しい「モーダス3 ツアー120」を開発。日本ツアーでは定番スチールとあまりに違いすぎる性能に賛否両論ありましたが、それに馴染んだトッププレーヤーたちは“間違いなく飛ぶ”と称し、その評価が「レジオフォーミュラ」の発想に繋がりました(栗原氏)。

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