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今月のゴルフ愛 最後の一滴「諦めちゃいません。」

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生涯ベストを諦めたわけじゃない。でも、そこを目標にすると、かえって遠のいていく。 「年間ベスト」や 「平均スコア」のほうがリアルで達成感もある。そのうえで、生涯ベストが出るなら、それはそれでうれしい。

練習場のプリペイドカードの特売日を予定表にメモするのは、一球でも多く打ちたいという向上心であって、セコさじゃない ・・・。とはいえ、年々カラダにガタが来ている。腰は相変わらず不安だし、股関節や首まわりも怪しい。

YouTubeでストレッチを見ながら、床に届かぬ手を必死に伸ばし、腸腰筋なる部位を伸ばすべく、お尻を突き出して、珍妙なポーズで固まったカラダと格闘している。

そんな姿で改めて思う。ゴルフって、 「感性」と 「体」と 「道具」の三位一体で成り立つ競技だと。風や地形を読み、方向を決め、スイングを調整して集中する。ここまでなら誰でもできる。問題はその先。感性を 「体」と 「道具」が受け止め、思うように球が飛ぶかどうか ・・・である。

「ベストスコア」とは、そのマッチングが生涯最高に輝く時間である。僕の本業であるゴルフ用品業界とは、その“接点”を支える立場にある。アナログな感覚に先端テクノロジーを融合させ、ゴルファーの可能性を広げる仕事である。調子が良ければ 「もっといい道具があるかも」、悪ければ 「道具のせいかも」と思ってもらえればいい。つまり、道具に“逃げ道”という余白を持たせることも、僕たちの役目なのだ。加えて、身につけ、使うモノで彩りを添える。

どれだけ道具が進化しても、行き着く先は自分自身。振らなきゃ、ボールは飛ばないのだから。そして、最後に残るのが 「神頼み」である。木に当たったボールの行方は、日頃の行いの結果なのだから。日々の生活に少しだけ神様の視線を感じて暮らすのもゴルフだと思う。今日も、ストレッチをしてから練習場に向かおう。生涯ベストは、まだ諦めちゃいません。

 

内本浩史(うちもとひろし)
BUZZ GOLF 主筆

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