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有村智恵の現在地。|BUZZ TALK SPIN OFF

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子育てと
ツアープレーヤーを
両立させたいから。

有村選手の話が聞けたのは原江里菜選手と発起したLADY GO CUPツアー・2024年シーズン初戦の練習日。
出産後初の復帰場となった今ツアー運営の場で多岐にわたって活躍する“現在地”、そして展望を聞いてみた。

「LADY GO CUP」は
積極的に新たな試みに
チャレンジしていきたい。

有村智恵
ありむらちえ、1987年11月22日生まれ、
熊本県熊本市出身。

「ツアープレーヤーは毎週いろんな場所を転戦します。そんな生活を何年もやってきて、いつも実感していたのは当然ですが家で過ごす時間の少なさ。30歳を過ぎたあたりから、この先の人生を思い描いた時に、ツアーとプライベートを両立する厳しさが確実に訪れる・・・。とはいってもやれる限りは試合には出ていたい。なかなかプライベートを優先することに踏み切れない自分がいました」。

ツアー14勝の有村智恵プロ。ツアーで戦える手応えがあるからこそ、プライベートを優先できない葛藤があったに違いない。有村プロがプライベートと例えるのは主に出産のことをいう。年齢的にも決断せざるを得ない時が訪れ、結婚を発表した翌年2022年11月に「妊活」でツアー出場の一時休養を表明した。

「子供ができたらゴルフをやめるしかない。だからプライベートの充実に踏み切れない自分がいたのも確かでした。ただ昨今はツアー以外でもプロテストを目指して頑張る若手選手を応援する独特のツアーや大会など多くあり、私のような境遇の選手が集って競い合える試合があったらいいな、と思うようになった。出産を転機に第一線を離れた選手は私だけではないし、いつかはそんな試合が出来ると都合よく思っていましたが・・・できない。色々私たちでヒアリングした結果、そもそもLPGAのツアー選手が他ツアーに出てくれると思っていないという意外な回答が多数あった。だったら私たちの手でスタートさせようと江里菜(原江里菜プロ)と発起したのが『LADY GO』のスタートでした」。

有村プロの想いにスポンサー各社が賛同。“持続可能なゴルフ界を創る”をテーマに、30歳以上の女子プロゴルファーを参加対象としたペアマッチのワンデートーナメント『LADY GO CUP』として2022年にスタート。産後、一線を退いた選手だけでなく、ツアーの第一線で活躍する選手たちも賛同して大会に参戦。自身も選手として参加するなど大会を盛り上げて2023年は年間4試合のツアーを完遂した。

「個人戦だと同伴プレーヤーとはマネジメントなどアドバイスになるので話すことはできない。だからこのペアマッチという形式が特殊で、選手間で意外な考え方などを私たち自身も知り、それをファンや視聴者の皆様と共有できるのが面白い。もちろん真剣勝負ですが、私たちは『LADY GO CUP』を通じて、新たなゴルフの魅力を創造していきたい。タイガー・ウッズが『TGL』を立ち上げたように、柔軟性を持って様々なチャレンジをしていきたいのです」。

2024年シーズンは「KURE LADY GO CUP」(7月11日)で開幕。4月に出産後、産休明けの復帰の場として、BSジャパネクストの生中継の解説を担当した。選手とのコミュニケーション、運営など会場で忙しく過ごす有村プロに、改めて自身の展望について聞いてみた。

「もちろん選手として『LADY GO CUP』に出場したいですし、ゆくゆくはレギュラーツアーにも復活したい。子育てとツアープレーヤーの両立の仕方を自分なりに探って実践していきたいです。でも試合に出たら、また結果にこだわって妥協なくプレーのクオリティを追求してしまうんだろうな(笑)」。

現役バリバリの当時、ツアー屈指のストイックプレーヤーの表情が、取材終わりに垣間見えた(笑)

自らカメラを持ち、スタート前の選手たちとコミュニケーション。自身がMCを務める「有村の智慧」(BSジャパネクスト・木曜夜9時)で放送されるかもしれない。「『有村の智慧』は“職権乱用?”といえる自分が知りたいゴルフを特集させてもらっています。初めてのMCは・・・喋り過ぎて反省しています(笑)。これからも全力で取り組んでいきますのでよろしくお願いします」(有村プロ)

取材協力=LADY GO CUP、取手国際ゴルフ倶楽部
撮影=高橋淳司

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