今年も新作ドライバーが出揃った。「求めるのは剛速か柔速か:T社」「乗って、たわんで、加速する:C社」「一撃の飛び:D社」「このドライバー、バケモノだ:M社」…と、自己紹介文がイメージ画像とともに並ぶ。今どきの出会い系の自己PRである。
今年は、「シュッ!」とスマートに決めた海外勢に対し「ガツン!」とマッチョな国産勢の対決のようだ。切れ味重視か、包容力とパワーか。惹かれるところは、人それぞれだ。
とはいえ、「飛ぶ!飛ぶ!」と仕掛け続けてきたメーカー。だったら300ヤードは超えているだろ!とも言われるが、350ヤードをぶっ飛ばすプロがざらにいる今、「飛び」はもはや前提条件にすぎず、問われるのは、その先の「魅力」だ。
道具がゴルフを上達させるわけではない。道具は、人がゴルフを続ける一つの原動力であり、上達を促す「相棒」だと思う。共に歩んでこそ本当の相性がわかる。
出会いの方法は進化している。詳細なプロフをBGで読み、噂に耳を傾け、辿り着くのはゴルファーたちが集まるマッチングの場。弾道計測は当たり前。モニターには、初速、スピン、打ち出し角と、飛距離だけではない生々しい数字が並ぶ。昨今は、数値の意味を熟知するゴルファーが増え、お試しデートは活況だ。
数字が良いからといって、心が動くとは限らない。数値は申し分ないが気持ちが乗らない相手がいれば、理由はよく判らないままに惹き付けられる相手もいる。音。打感。余韻。数値以上に感性が揺れる。もはや、プロフもモニターも関係ない。情動だけが動き出す。共に歩むべき「相棒」を見つけ出した瞬間、出会いの醍醐味が極まる。
その日から「相棒」と共に歩み出す。練習場へ、そしてコースへと。苦難は必ず訪れる。ここを乗り越え「相棒」が「愛棒」へと変わるのか。すべてのゴルファーが抱く期待と不安である。以上、出会い系…いえ、フィッティングの話でした。
内本浩史(うちもとひろし)
BUZZ GOLF 主筆
日本ゴルフ用品協会副会長
朝日ゴルフ(株)代表取締役
青山学院大学卒
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