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特集

2022真夏版 アイアン大全!Documentary The FOURTEEN

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カスタムにおいて
ヘッド性能をフルに
発揮できる技術。

アフターマーケットシャフトのラインナップが多様化する中、いかにしてヘッド性能を損なわせず完成品に導くのか。
決して単純ではない組み立ての技術をレポート。

ヘッド出しの際には、品質管理課が0.1グラムの単位で管理する公差内のヘッド重量から、最適なヘッドを選び出せることが、フォーティーンの組み立てクオリティを保つ核となっている。

当たり前だが・・・
ヘッドで重量調整は行いたくない

フォーティーンでは最新モデル「TB︲7 FORGED」をはじめ、アイアン&ウェッジにおいてカスタムクラブの注文が昨今増え続けている。もちろん全てのプロダクトで専用設計されたメーカーオリジナルシャフトを推奨しているが、アフターマーケットシャフトの充実によってゴルファーの多様化するニーズには、フォーティーンとしても100%応える体制は整っている。

 「例えば『TB︲7 FORGED』に標準採用されるMODUS3 TOUR 105は、標準スペックで採用しているため、様々な要望にも対応しやすい。またMODUS3シリーズをはじめ、これまで組み立ての実績が多いN・S・PROシャフトは要望に応じやすいです。難しいのはシャフトスペックが未知数のモデルや、シャフトスペックが不安定なモデルなど・・・組み立て後のバランス値が想定できないケースも多々あります」(カスタム担当・横塚さん)。

バランスとは、クラブを天秤(バランス測定器)に置いた時の重心ポイントをいう。ヘッド側に重心が寄れば寄る(重たくなる)ほど、値となる英数字は大きくなる。例えば「TB︲7 FORGED」の場合、MODUS3 TOUR 105ではD1・5が標準値だが、シャフトが異なれば当然、そのバランス値は異なってくる。フォーティーンではカスタムシャフトにおいてもメーカー推奨値を導き出すが、特注品においてはその希望毎によって推奨値とは離れた値を組み立てることもある。

「バランス値はあくまで静的な数値であり、フォーティーンでは元来あまりその数値に固執して欲しくはないと考えております。ただゴルファー毎のニーズには全力で応えなければならない。あくまで特注品を組み立てる時の守り事としているのは、ヘッド機能を損なわせないこと。ヘッドに重量調整となる鉛を加えてしまえば、その性能自体を変化させてしまう恐れがあるからです」。

ではヘッド重量調整なく、どうやって理想に組み立てているのか。ヘッドには重量公差がある、その小さな重量差を精度良く品質管理課で徹底管理されて製造部へ。横塚さん率いるカスタム製品の組み立て部隊では、そのヘッド重量公差をうまく利用して数あるシャフト特性に都度マッチングさせているのである。 

「私たちにとって一つひとつが大切なオーダーであり、ゴルファーがフルに性能発揮できるよう理想の完成品を追求したいからこそ、流れ作業にはできない。1セットを一人の担当者が組み立てるクラフトマンシップの“当たり前”の世界がフォーティーンにはあります。設計開発のノウハウに優れているフォーティーンだからこそ、プロダクトの性能を損なわない組み立て精度に妥協してはならないのです」。

シャフトのスペック設定(性格)はモデル毎で当然異なるため、特注品としてゴルファーが要望するバランス値に組むのは至難な場合も多々あるのだ。

特注品は必ずゴルファーの要望が添えられた注意書きがあり、多くのケースでバランス調整が発生し、シビアな作業が行われている。

私が竹林隆光から教わったこと
“構えやすい感覚”

ゴルフ量販店でクラフト技術を学び、縁あって地元のフォーティーンに転職しましたが、組み立て技術や精度は、私がそれまでに学んだこととは別物だった。接着の仕方やテープの巻き方など全ての工程において、フォーティーンクオリティとはこうだ!と言われんばかりに違いを見せつけられました。
創業者の竹林から学んだことは常にプレーヤー感覚でいなければならないこと。“構えやすいクラブ”は何なのか? シャフトの挿し方一つで変化する“構えやすさ”は、数字だけでは成り立たないゴルファーとして、そしてクラフトマンとしての感性が問われる技術なのです。フォーティーンに入社して早15年、何一つ同じフォーマットがないカスタムクラブの組み立てでは、今もなおその一つひとつで経験値を重ねている毎日を送っています。
※竹林隆光・・・フォーティーン創業者、中空アイアンを世に送り出したクラブ設計家。1977年日本オープンローアマなどアマチュア選手としても功績を残す。

株式会社フォーティーン
製造部 開発課
カスタム担当
横塚光浩さん

新作は、
優しすぎない、難しすぎない。

TB-7 FORGED
SPEC
●ヘッド素材:S20C(軟鉄鍛造)
●ロフト角:30度(#7)
●シャフト:N.S.PRO MODUS3 TOUR105
※受注生産:FT-70i カーボンシャフト、FS-90i スチールシャフト
●価格(税込):5本セット(#6 ~ PW)132000 円、単品(#5)26400 円

問い合わせ/株式会社フォーティーン TEL027-387-8760

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