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テーマはワイドソールを超えていけっ!|ウェッジの命、ソールを大胆進化させたノンフィクション

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嘘偽りないノンフィクションの話。今から約2年前、フォーティーンではやさしさのウェッジ「DJ-5」を新発売して間もない頃に企画会議が行われた。テーマはそこから2年後の発売を目指し、新たな開発を着手する「DJ-5」の後継ウェッジの話だ。企画部の池田純さんは単刀直入に大胆なリクエストを告げる。

「他メーカーが追いつけないような、圧倒的な“やさしさ”をカタチにしてほしい」。

リクエストは簡単だがある意味、究極の命題である。大ヒットした軟鉄鍛造アイアン「TB-5 フォージド」で好評だったやさしさのワイドソール・ユニバーサルソールをウェッジに搭載した「DJ-5」はダフリに強い象徴として市場での支持率を獲得してきた。そんな“やさしさ”のウェッジの象徴とも言えるモデルを、さらに超える“やさしさ”とは一体どんな形状で達成できるのか。フォーティーン開発部の黒澤孝康さんの戦いが始まった。

ダフってもピンに寄せられる──。
グランドキャニオンソールが導く
DJ史上最も強く実戦的なバウンス効果

ワイドソールではなく、
バウンス効果を活用する
大胆な発想転換

ウェッジパフォーマンスの命はとことんソール形状に尽きる。芝上にいち早くソールがコンタクトして起きるアクションが、インパクトのクオリティそのものを決めるからである。一般的にやさしさを強調した、いわゆるダフリに強いウェッジの特徴は“ソール幅が広い”、“バウンス角が大きい”という2大要素を備えている。ダフリに強い「DJ‐5」はリーディングエッジにバンパー(受け)を設けて、ボールへのコンタクトに許容性を持たせたうえで、幅広なワイドソール効果へうまく導いてダフリへの強さを発揮させるユニバーサルソールが特徴的だったが、開発部・黒澤さんは新作「DJ‐6」にどんな進化を見出したのか。

「どちらかといえばDJシリーズはワイドソールでやさしさを追求してきた系譜がありますが、新作ではその流れを歩むことを一旦止め、大胆にバウンス効果を高めていくことをテーマにしました。まずは『DJ‐5』をベースにしながら、バウンス角を強調。しかしワイドソールを単純にバウンス角を大きく設定すると、その効果が強すぎる傾向にあり、ウェッジとして使用用途が特定されすぎて、オーソドックスに使いづらさが強調されてしまう。では、どうやってバウンス効果を強めるか・・・試行錯誤した結果、過去に採用したフォーティーンのソール技術・キャニオンソールを応用していく方法に辿り着きました」。

「DJ-6」はターゲットプレーヤーとなるスタッフとともに、フィールドテストをとことん繰り返し、ブラッシュアップを重ねてきた。

「DJ-6」はバックフェースのキャビティ構造にシアター(劇場)のようにフェース厚をトゥヒール方向へフローさせたシアターブレード構造を融合して、手に伝わる振動を制御し打感を向上。さらに逆テーパーブレードとシアターブレードの組み合わせによってインパクトの安定性も向上している。

バウンスは強いが弾きすぎない!
フロントからバックへ、ダブルアクションを
凹ソールが理想的に導く

キャニオンソールとは2015年発売の「C‐030」というダフリに強いお助けウェッジに採用された凹みソールだ。ソール中央を渓谷のように凹ませているから“キャニオン”であり、フロント部とバック部のソール効果をダブルで組み合わせたアクションで、芝上でヘッドを推進させる絶大な抜けの良さで人気を博したウェッジだ。

「キャニオンソールに答えが辿り着いた時、フロントとバックに高低差をつけてバック部のバウンス効果を高めました。凹みを挟みフロントとバックの2段階のソールアクションが期待できるのがキャニオンソール。フロントのバンパーソールではボールのコンタクトに許容性を持たせ、一旦凹みを挟んでバックのキャニオンバンスに誘導することで、バウンス角20度というバウンス効果が絶妙に芝にコンタクトし、心地よいヘッドの推進力を得ることができました」。

そのソールの名はグランドキャニオンソール。大胆な凹形状は流行を追わず、徹底的にパフォーマンスを追求する、まさにフォーティーンらしい独創性が導いた最新ソールだ。さて企画部・池田さんの評価はいかに・・・。

「バウンス効果を有効的に高めた、というGキャニオンソールの抜け感は『DJ』の新作にふさわしいなって感じました。私の無理難題に技術で応えてくれる開発部、さすが“ウェッジのフォーティーン”だなって思いました(笑)」。

とお墨付きだ。「DJ‐6」のターゲットプレーヤーは主に100切りを目指すアマチュアゴルファー、そしてスコアに限らずダフリを恐れアプローチショットが萎縮・躊躇してしまいがちなプレーヤーだ。グリーン周りからのアプローチをダフリで悲しき1打にしてほしくない、その1打はスコアメイクのリカバリーショットだけに無駄にしてはいけない。

「『DJ-6』はフェースを無駄に開く必要がありません。スクエアでもGキャニオンソールが素直にコンタクトさせてくれるため、打ち方を複雑にせずシンプルに打ちたい」と上級者である企画部・池田純さんが用途解説。

DJ-6開発担当
フォーティーン
黒澤孝康さん
「これまでの経験値、そして技術をフルに活かしたのが『DJ-6』。『DJ-5』を確実に上回るやさしさをカタチにすることができました」。

新作「DJ-6」は10月13日から発売予定。その圧倒的寛容性に期待していただきたい。

問い合わせ/株式会社フォーティーン TEL027-387-8760

撮影=田中宏幸
取材協力=吉井カントリークラブ

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