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猛暑でも集中力を切らさない脳の栄養学 ~いまスポーツ栄養学で注目される「クレアチン」~ 食トレで変わる、その一打! Vol.50

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猛暑ゴルフで集中力を守る
3つのポイント

水分補給

喉が渇く前にこまめに。大量に汗をかく日はスポーツドリンクや経口補水液を活用しよう。

ナトリウム(電解質)

汗で失われるナトリウムを補給して、体液バランスをキープ

脳のコンディション

身体のコンディションを整えて、集中力・判断力を支える土台を作る。

 本号ではパフォーマンス心理学が特集されています。猛暑のラウンドでは、「集中力が続かない」「いつもなら決まるパットを外してしまう」「イライラしてリズムを崩す」と感じることはありませんか。

 メンタルを整える技術は大切です。しかし、炎天下でプレーする夏のゴルフでは、身体のコンディションが集中力や判断力に大きく影響します。メンタルを支える土台として、栄養面からのセルフケアも忘れてはいけません。

 まずパフォーマンスのベースとなるのは、水分とナトリウムの補給です。汗をかくと、水分だけでなくナトリウムも失われるからです。水だけを飲み続けると体液のバランスが崩れ、集中力やパフォーマンスが低下することがあります。のどが渇く前からこまめに補給し、発汗量が多い日はスポーツドリンクや経口補水液なども状況に応じて活用しましょう。

 そして近年、スポーツ栄養学で注目されているのが“クレアチン”です。クレアチンは、肉や魚などに含まれる天然の成分で、私たちの体内でもつくられています。筋肉が瞬発的に力を発揮するときのエネルギー供給を支える働きがあるため、これまでは筋力アップやパワー系競技のアスリートがサプリメントとして利用するイメージが強い栄養成分でした。

 近年では、その働きが筋肉だけでなく脳に作用することも注目されています。脳は体重の約2%ほどの大きさしかありませんが、安静時でも全身の約20%のエネルギーを消費する、非常にエネルギー需要の高い臓器であり、「筋肉のエネルギー代謝を支えるクレアチンは、脳でも役立つのではないか」という研究が進められています。

 近年の報告では、クレアチンの摂取によって、記憶や注意力、情報処理速度などの認知機能に良い影響を及ぼす可能性が示唆されています。とくに、暑熱環境や睡眠不足など、身体的ストレスがかかる状況で認知機能を維持できるかという視点から研究が進められており、スポーツ栄養学でも注目されています。

 一方で、ゴルフでの集中力やメンタル維持への効果については、まだ十分なエビデンスはなく、今後の研究が期待される段階です。現時点では、「すぐにサプリメントを飲みましょう」という話ではありません。まずは水分・電解質補給という基本を徹底すること。新しいスポーツ栄養学の知見にも目を向けながら、自分に合ったコンディショニングを考えていくことも大切です。

 夏の疲れは、知らず知らずのうちに秋まで持ち越されます。夏バテを防ぎ、最後まで冷静な判断ができる身体のコンディションを整えることも、安定したメンタルを支える大切な準備です。

石松佑梨
いしまつゆり。管理栄養士、数々のトップアスリートたちをサポートする食トレのスペシャリスト。著書の「過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー」(かんき出版)はアスリート必携の1冊だ。

参考資料・出典=Xu C, et al.
The effects of creatine supplementation on cognitive function in adults: a systematic review and meta-analysis.Frontiers in Nutrition. 2024.

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