ゴルフはとことんメンタルのスポーツだ。例えば、前半9ホールは素晴らしいスコアでプレーできたのに、後半9ホールではいつもどおり(むしろ悪い)。スコアを気にした途端に、まるで魔法が解けたかのように通常運転に戻る。
「気づいたらベストスコアだった。そんな経験はあるはずです。それほどプレーに没頭していた証拠です。もちろんスコアは気にしてもいいし、試合など場合によっては気にしなければならない。ただ、それはスコアを記入する“たった5秒”で終わらせるべき。大叩きしたスコアを気にしすぎてネガティブになることだけは避けたい」。
ミスショットを打った時もそうだ。これから向かうべきトラブルショットにネガティブな気持ちで臨めば状況判断を鈍らせてしまう。
「スコアを考えなければ感情は安定できます。ミスした過去を悔やむよりも、常に未来のことを考えて、次のショットにこそ平常心で臨むこと。ゴルファーだけでなく全てのスポーツマンに求められる気持ちのスキルです」。
とあるスポーツ心理学の実験で、面白い実験結果があると、児玉先生はいう。
真夜中のショートホールでの実験だ
照明はティインングエリアとグリーンのみの谷越えのパー3。テストに臨んだ10名のアマチュアゴルファーは谷越えを知らない。結果、グリーンに近いエリアにボールは集まったという。次の検証ではライトを照らし、谷越えを認識したとたん、その確率は激減した。
「危険エリアが意識に強く介入してしまったために起こる現象です。苦手なロケーションは誰しもあるもの。そこに打ってしまうのでは、という不安・恐怖が筋肉を硬直させてしまうのです」。
嫌な景色をどう克服するべきか。
「危険エリアを認識した時点で、あとは徹底的に無視をすること。セットアップしたら、危険エリアに視線を一切送ってはいけません。人間の視線は便利、目標から瞬時にボールへと視線の瞬間移動が可能。視覚・意識から危険エリアを徹底的に排除するのです」。
その大事な1打に、いい気持ちのスイッチを入れたい。
アプローチショットに苦手意識を感じるゴルファーは少なくはない。バンカーショットも然りだ。“イップス”(動作の支障)なんて言葉も付きまとってしまうほどで、その苦手意識はできるだけ早く処方するのが望ましい。
“苦手意識”の正体は失敗経験そのものと言える。児玉先生曰く、“人間は賢いがあまり、失敗に過剰反応しがち”という。絶対に寄せなければならない、そんなプレッシャーが大きいからこそ、トップやダフリという失敗経験の積み重ねが、気持ち(精神)に深刻なダメージを与えているのである。もちろん練習でそれを克服することも可能だが、一般アマチュアゴルファーがゴルフに費やす時間は貴重、十分な練習時間や環境は確保できない。
パッティングもそうだが、モーションの小さいアプローチショットがより難儀なのは、フルショット以上に気持ちの不安さが結果に現れてしまうことだ。普段、練習場のマットでいかに上手く打てていようが、芝上(砂上)ではその勝手が効かないのである。
難解な状況で酷だが、いかに実戦で成功経験を積み重ねていくかが、苦手意識を克服できる一番の処方箋だ。児玉先生のアドバイスでは「〝アプローチが得意である”、そんな自己暗示をかける(かかる)」、つまり気持ちに自信を持てることこそが、不安を消し去る最大の特効薬なのである。
多くのサンドウェッジはソール面の広さ、そのコンタクトの度合い(バウンス角)が、主にアプローチショットが得意なプレーヤーのテクニックを活かすために開発されており、ミスにはシビアである。
成功経験を重ねるには、最適なクラブを持ってほしいというのが、実直な提案だ。アプローチショットの成功の鍵は、芝面(砂面)にソール(クラブの底面)を、上手くコンタクトさせて、滑らせることに尽きるが、簡単なようで難しいから、そもそもが問題なのだ。
一言でサンドウェッジと言っても、その多くが主にアプローチが得意なプレーヤー向けに設計されており、ボールコンタクトはシビアであって、簡単にいうとやさしくない。プロが使うモデルはファッション的にかっこいい、しかしその嗜好が、実益を生む訳ではないのだ。
今日のクラブの進化を牽引した設計家の竹林隆光さん(フォーティーン創業者・2013年没)は、「補助輪がついたクラブを選びなさい」と常々、クラブ選びの本質を説いていた。上手になれば、補助輪を外せばいい。補助輪がない道具で転んでしまう(失敗経験)ことこそが、ゴルファーの苦手意識を構築させてしまう原因になるからだ。
道具を使うスポーツだからこそ、道具の性能が結果に依存してしまうのがゴルフだ。その本質を見失わないメーカーが、フォーティーン。アプローチ、そしてバンカーショットの成功経験を重ねたいなら、『FR︲3』以上のモデルはない。見た目は多くのウェッジと異なるが、そのボリュームある渓谷ソールこそが補助輪そのもの。そのお助け機能を感じることが、不安を消し去る最大の特効薬だ。
※モデルの坂元アナウンサーは、前号でその機能を実感して購入されました。
フロントソールがしっかり砂面にヘッドを潜らせて、主役のバックソールへアシスト。渓谷部が砂面に大きな抵抗を与えることで、ヘッドの抜けを促進させる。その効果は芝面でも同じで、ダフリに圧倒的に強い。
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