これまではネガティブな思考をどう意識から消し去るかを注目してきた。では、ゴルファーなら誰もがその境地に入りたい“ゾーン”の入り方について、児玉先生に聞いてみる。
「スポーツ選手にとって“ゾーン”は集中力が極端な状態であり、普段以上のパフォーマンスが発揮できる究極の心理状態だと言えます。非常にミステリアスであり、どうやってこの状態に入れるかは、スポーツ心理学でも研究途上。解明できればノーベル賞もの、だと言われています」。
ゴルフを長くしていると、とにかく何をやってもうまく行く日がある。そんな時は、不思議とスコアを考えていないはず。ただゴルフを楽しんでいるはずだ。
「例えばその究極と言えるのが、ギネス認定された石川遼選手の58(2010年・中日クラウンズ)。その後に彼は、“雲の上にいる感覚で心地よかった”と、リラックスしていたと話しており、その意識にスコアは介在していない。まるで催眠術にかけられたような感覚に陥るのが“ゾーン”だと言えます」。
この究極のポジティブ状態にどうやって入るか・・・。児玉先生はまず、スコアへのポジティブ思考を捨て去ることから入りたいとアドバイスする。
「スコアへのポジティブ思考は、ベストに近い状態でプレーしたい強い期待感となり、かえってそれがプレッシャーになる。そうなれば“ゾーン”の入り口は完全に閉ざされてしまいます。私はポジティブでもネガティブでもない、ニュートラル思考が大事だと考えています」。
スコアではなく、ゴルフそのものの1日を満喫する気持ち。ミスをも楽しめる1日は、そんなニュートラル思考こそが、“ゾーン”に入りやすい脳の環境整備を整えるのである。
「簡単に言えば、あんまり“頑張りすぎない”こと。それだけで2打、3打、スコアは変わってくるものです」。
明日のゴルフ、あなたに有利になる気持ちのスイッチを押して臨んでいただきたい。スコアのアップダウンを気にしすぎず、原始的にゴルフを楽しむのが1番だ。
今月のテーマが“気持ちのスイッチ!”だと聞いて、凄くいいなって感じています。私も気持ちは大事だと思っているので。よく何を考えてプレーしているのか、質問されますが、それほど深く考えていません(笑)。とくに上手くいっている時ほど、無心です。あえていうなら、全てのプレーヤーにとって目の前の1打の価値は変わらないこと。前ホールでボギーを打っていようが、OBを打っていようが、これから臨む1打の価値は変わりませんから、その1打に全力投球することに専念しています。ミスしても自分が一生懸命やっているのだから、いちいち悔やまない(笑)。私は自分を責めることも反省することもしないタイプですね。(もちろん次に活かすために練習します)
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