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今月のゴルフ愛 最後の一滴「プレイファースト?」

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今年、昭和100年を迎えました。僕たち昭和人の心には、常に昭和の情景が息づいています。激動の時代を生き抜いた昭和人の心に映る情景は、それぞれの時代で大きく異なるのも特徴です。

ハイカラさんが行き交う神戸の街。空を翔ける零戦の雄姿。ちゃぶ台を家族で囲んだ経験はないけれど、大阪万博の光景だけは鮮やかな色彩をともなって僕の脳裏に浮かんできます。動く歩道。ライトアップされたパビリオン。金髪の外国人たちを映画スターだと思い込んだ記憶・・・そんな思い出を伴って万博が帰ってきます。

「大物」が破天荒に輝いたのも昭和でした。終戦直後の日本を背負い、米国と交渉を繰り広げた白洲次郎氏もそのひとり。彼のど真ん中には常に原理原則が存在し、少しでも真ん中から外れるならば、たとえGHQトップのマッカーサーでもドヤしつけたといいます。

「他人に迷惑をかけるな」を信条に、ゴルフでは「Play fast」を掲げ、ドレスコードなどお構いなく、「Play fast」とプリントされた自作のTシャツを着てプレイしたと伝わります。

たまに「プレイファースト」と書かれた掲示物を目にします。表記を言えば、「プレイファスト」が正解でしょうが、「まずはプレイを楽しもう!」という意味では、「プレイファースト」に本質があるように思えます。

高度経済成長期に活躍した天才アマチュアゴルファー、中部銀次郎氏は「悠々として急げ」と語りました。その場にいる全ての人たちと、共にゴルフの時間を楽しもうとする姿が浮かびます。他者を思いやり、悠々と急ぎ、オシャレやギアも楽しんで、ラウンド後はユッタリと時を過ごす。古くも感じるスタイルが、新しい時代に合っているように思えます。昭和が始まって100年。人の心も成長し醸成されました。そろそろ「Play first & Play fast …& Slow Life」で良くないですか? 今年もよろしくお願い致します。

 

内本浩史(うちもとひろし)
BUZZ GOLF 主筆

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