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[新年の提案]真冬の練習場で鍛える超実戦的ウェッジテクニック 後編

特集

実験小僧になれ!
スピンショットはフェースにボールを乗せていけ。

ロフト角(フェース面)に対して
スクエアな軌道でヘッドをコントロールする

─ ウェッジテクニックの代名詞は“スピンショット”だと思いますが、アマチュアゴルファーには難しいですよね。
伊澤 スピンショットって、アマチュアの皆さんがイメージされているよりは凄く簡単でシンプルです。フェースを過度に開くことも必要ありませんし、無理にカットに打つ必要もありません。

─ スピンはフェース面をボールに擦り上げるイメージがあります。
伊澤 もちろん、サイドスピンをコントロールする際にはそのイメージもありますが、シンプルにバックスピンをボールに与えたいなら、フェース面にボールを乗せる技術が大切です。

─ プロがよく言う“乗り感”ですね。
伊澤 “乗り感”を得るためにはロフト角(フェース面)に対してスクエアな軌道でヘッドコントールすることが大切。とくにロフト角が大きい58度以上である(フェースを開く場合も)場合は、アッパーにようにボールを持ち上げていくような感覚が必要です。

─ ウェッジをアッパーで打つ、感覚ですか。
伊澤 ティアップしたボールをフェース面で拾う練習をしてください。フォローでフェース面が自分を向くようにヘッドコントロールをイメージしましょう。

ティアップしたボールをフェースで乗せるように打ってみて!

ロフト(フェース面)にスクエアな軌道でヘッドコントロール!

ロフト角が大きいウェッジはフォローでフェース面が自分を向くようなフェースの使い方をイメージしたい

テクニックに秀でた伊澤プロはローバウンスウェッジをさらに削ったマイナスバウンスでテクニックを発揮する。ローバウンスはフェースを開いたりテクニックに順応する一方、ソールの許容性は少なくなり実戦においてシビアな性能になることも知っておきたい。可能ならハイ・ロー、バウンスの効き方を打ち比べたい。

COLUMN

テクニックを鍛えるなら
ローバウンスウェッジを推奨!

リーディングエッジ(刃先)とトレーリングエッジ(最後端部)の角度をバウンス角と言います。この角度が大きければ(ハイバウンス)芝面とソール面の当たり方が強くなって、角度が小さければ(ローバウンス)その当たり方が弱くなる。ヘッドの入射角度やライの状況によって一長一短がある最適バウンス角度ですが、テクニックを習得するためにはローバウンスを推奨。ライを選ばずにボールと芝面の空間にリーディングエッジをシビアに入れていけるためヘッド操作力を養えます(伊澤プロ)

実験小僧になれ!
◯+△=□
方程式の答えは無限大。

方程式を構成する要素、
グリップの握り方

─ スタンスの向きやボールポジション、フェースの開閉など様々な要素を自在に組み合わせて打つ・・・これまでに実践したことがありませんでした。
伊澤 不変だったウェッジショットの練習に変化が実行できただけでも、引き出しの数が増えたことと思います。

─ 伊澤プロはスライス、フックなどスピンコントロールも自在ですね。
伊澤 スピンが操れることでグリーン上の傾斜への対応をさらに広げることができます。

─ さすがにすぐにテクニックは真似できませんね。
伊澤 ボールのつかまえ方に工夫を与える際、グリップの握り方が方程式の要素として加わります。

─ グリップですか?
伊澤 フェースを開いて低い弾道を打つ。そういった場合、フェースローテーションにトルクを加えてインパクトに圧を与える技術もあり、フックグリップはそれがやりやすい。対してフェースを開いてボールをやわらかく上げる場合はスクエアグリップの方がやりやすい。握り方の特性を利用して様々なショットの応用ができるのです。

─ 実験を繰り返して、自分なりの答えを見つけ出すしかありませんね。
伊澤 はい、ウェッジショットを構成する方程式は無限大。どれだけ“実験小僧”に没頭できるかが勝負です。

グリップの相性

握り方やコッキングの仕方で発生するフェースローテーションの加えやすさ、加えにくさを利用してボールへの様々なインパクトをコントロールできる。

フックグリップ
ハンドファーストとの相性が良く、強い弾道を打ちやすい。
インパクトにかけてスクエアに戻していきフェースローテーションを加えていける。

スクエアグリップ
フェースを開いた状態でコントロールしやすい。
やわらかいボールや高さを出したいテクニックとの相性がいい。

フックスピン
フェースローテーションを加えながら、インからアウト側へ
ボールを右側面に擦り上げるようにドライブ回転をかけていく。

スライススピン
フェースローテーションを抑えながら、アウトからイン側へ
ボールを左側面に擦り上げるようなイメージで左サイドへ抜いていく。

COLUMN

ライを適切に
コントロールせよ!

インパクトが集中するマット中央部は、厚みが薄れて地面が硬くなり打ちにくいと感じますよね。練習場マットにもその厚みによる“打ちやすい”、“打ちにくい”は発生しています。厚みあるやわらかなライは夏場の絶好の状況、厚みが薄く硬いライは冬場の難しい状況を想定し、ボールコンタクトの精度を意識しながら練習に取り組んでください。
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