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天才努力家 青木瀬令奈に学ぶ!スポ根魂!|「現役でいられる限り、いかに苦しい選択を続けられるかが勝負」【1】

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青木瀬令奈プロは今季平均飛距離が約20ヤードもアップ、もちろん自身のキャリアでは一番飛んでいる。
なぜ、これほどのパワーアップを成し遂げられたのか?
ツアー屈指とも称されるストイックな取り組み、そしてその活動にかけるマインドからゴルフ云々関わらず私たちが学べることは沢山ある。

火事場のバカ力を
“瞬間的”に発揮できる
力を鍛えること──。

青木プロを20ヤードも飛距離アップさせたトレーナー・斎藤大介さんの手腕を取材。
たんたんとこなすトレーニングメニューにはどんな秘密が隠されているのか…。

まだまだ飛距離の
伸び代はある

青木プロと斎藤さんが本格的にタッグを組んだのは、2023年のオフシーズンからだ。「選手生命を伸ばすために、いいコンディション、安定感を追求したい」(青木プロ)という目的のもと、初めて本格的なフィジカルアップを目指した。

「回転タイプ、踏み込みタイプ、体重移動タイプと、ゴルフスイングには主に3タイプの力の使い方があり、選手一人ひとり、その個性に合ったトレーニングメニューを組み立てます。青木選手は完全に“踏み込みタイプ”であり、その力の使い方を変えずに伸ばすトレーニングに取り組んでいます」(斎藤さん)

主にバイク(速さ)、ジャンプ(負荷の中間)、スクワット(重いものを速く)などのトレーニングを重視したメニューを中心として、真下へ力を伝えられるパワーを鍛えていく。

「“なんとなくこなす”では意味がなく、休憩を挟みながら短い時間で全力を発揮できるメニューに取り組みます。火事場のバカ力と言いますか瞬間的に力を最大限爆発させることが飛距離と直結しています」。

シーズン中は大きくメニューを変えることはないというが、次オフではさらに青木プロを進化させるトレーニングメニューが考案されるかもしれない。

「もともと本格的なトレーニングに取り組んだことがなかった青木プロは、できるメニュー範囲は狭かったですし、今やっていることも決して全てではありません。だからまだまだ伸び代はある。選手と相談しながら、さらなる進化に取り組んでいきたい展望はあります」。

トレーナー
斎藤大介さん
ゴルフ専門のトレーナーとして活躍中。2016-2019は米LPGAツアーに帯同し、メジャー2勝を含む通算15勝に貢献してきた。拠点を置く越谷ゴルフリンクスプライベートスタジオではツアープレーヤーをメインに、一般アマチュアゴルファーもサポート。ご希望の方は斎藤さんのインスタグラム@golf_fit_japanまでDMを。

毎日が
限界を突破する
強い気持ち。

トレーニング中に3種の重量のスティックでヘッドスピード計測を行う。この日はヘッドスピードを更新。
「カメラを向けられるとアドレナリンが出るのかも(笑)」(青木プロ)

やると言ったら
妥協なくやり通す

シーズン中、青木プロのサポートは“定例の月曜日”の早朝に行われるという。日曜日までツアー最終日を全力で戦い、遠征から帰ってきた翌日に休みなく越谷のプライベートスタジオへ通う。疲労は大丈夫なのか?と青木プロに質問したが、“全然大丈夫”という力強い言葉が返ってくる。さすが、アスリートの体力は常人と違う。

「もちろん青木プロだって疲労はあるはずです。疲れでトレーニングを妥協する選手も少なくはない。このスタジオも決して立地がいい訳ではありませんので、多くの選手が月1回で訪れるのが通例。そんな中、青木プロは週1(同地域の遠征が重ならない)のペースで今まで一度もキャンセルがない。やると決めたらとことんやり通す人だと、私もそのプロ魂に奮起させられています」。

長期的に安定したパフォーマンスを考慮すれば、適度なトレーニングを定期的に実施するのが理想的であり、身体を動かすことで疲れを残さない効果も期待できるというが、やはり常人から見て、休暇なく厳しいメニューに取り組めるそのストイックさ、精神力にリスペクトだ。

「もともとはあまり努力をしないダメダメ人間だった私だけど、いろんな過程を通して、今頑張れる私がいると思います。やれる限りはとことん苦しみますよ(笑)」(青木プロ)

スイングカタリスト(バランス、圧力を解析できるマシン)を駆使して、スイングの傾向に合ったトレーニングを導き出す。踏み込み型の青木プロは1年半のトレーニングを通して約30%の圧力を向上させ、ボールスピード60m/s超、キャリー230ヤードまで飛距離アップ(約20ヤードアップ)できた。

レポート=編集長G 撮影=高橋淳司
取材協力=越谷ゴルフリンクスプライベートスタジオ、
KOSHIGAYA GOLF CLUB、横浜スポーツコンプレックス

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