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ボール初速、スピン量を設定して打ち出せる「ランチャー」。ディンプルの飛行能力をテストする際に使用されている。
「ツアーB X/XS」のカバーの表面には自己修復機能を備えたスリップレス・バイトコーティングが施されている。カバーの凹凸形状においてディンプルにおける均一なコーティングが施されており、1/1000mmという微細な世界で徹底管理されることで、一つひとつのカバーの高い耐久性が実現されている。
ディンプルの形状は、深さが5μm(5/1000mm)変わるだけで全く異なる弾道の高さになってくる。ツアーボール、ディスタンスボールとモデル別に狙った弾道特性を確実に機能化させるために、ブリヂストンではディンプルの品質は徹底管理している。
小松さん アマチュアゴルファーにとってベストなゴルフボール選びは、第一にドライバーショットの成功を重要視して選んで欲しいとご説明しましたが、ゴルフボールの“飛距離”において、ぜひ知っておいていただきたいのが「ディンプル」の役割です。
──カバー表面の凹凸形状ですね。
小松さん はい、ディンプルの役割は飛んでいく弾道に必ず発生するボール表面の空気の流れを安定させることにあります。また、表面の凹凸は形状、数、深さ、大きさにより弾道を調整できるため打撃条件に応じて最適設計がされているのです。
──ディンプルがないボールは?
小松さん 空気の流れが不安定になるため、トッププレーヤーが打っても全く飛びません。ブリヂストンのボールのディンプル性能は、弾道が不必要に高くなりすぎない中弾道設計(風に影響を受けない弾道)が施されています。
──運良くボールが無くならずに長く使い続けたり、ウェッジショットでカバー表面が削れたり、ディンプル形状が傷ついたボールは・・・
小松さん もちろんその部分が空気抵抗となります。傷の度合いにもよりますが、新品と15ヤードも当たり前に飛距離が違ってしまうほど、弾道に影響を与えてしまいますし、傷が左右にある場合は弾道を曲げてしまうのです。
──ナイスショットをしても思ったように飛距離が出ていないとき、その原因がディンプルの損傷にあると思って、まず間違いないと言えますね。
新品、傷なしボールでは明らかな飛距離差を生んでしまう。
※ブリヂストンスポーツ調べ
今号のゴルフボールの選び方特集は、ブリヂストンスポーツのラインナップをモデルにしてお届けしてきたが、ツアーボール、ディスタンスボールは各メーカーに共通してラインナップされているため、ボール選びのベースとして参考にしていただきたい。ただ、厳密に言えば同じカテゴリのボールでも各社・各モデルで求めるパフォーマンスは異なるため、ご自分が愛用する、または使ってみたいボールメーカーのカタログをご覧になっていただき、その特性をしっかり把握しておくことをお勧めしたい。いずれにしても、ベストなボールを選ぶことが、ベストパフォーマンスに直結することを、常に意識しておきたい。
撮影=高橋淳司
取材協力=ブリヂストンスポーツ、米原ゴルフ倶楽部
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