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[ドキュメント]グリーンキーパー VS 排水不良問題|ドレインベルト

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ゴルフ場のクオリティを守るグリーンキーパーは、例外なくコースに点在する排水不良問題と戦っている。
その戦いに終止符を打つ新技術の排水システムを名門・奈良国際ゴルフ倶楽部が導入、長年の排水不良を克服した。

取材協力=奈良国際ゴルフ倶楽部
今年で開場68年を迎えた関西を代表する名門倶楽部。取材当日は雨天だったが、18番グリーン手前の窪みエリアは良コンディションを維持。「ドレインベルト」の排水効果は十分に見ることができた。

新技術の排水システムが、
名門・奈良国際ゴルフ倶楽部の
水はけ不良問題を解決。

本誌では不定期で、ゴルフ場のグリーンキーパーへの取材記事を掲載している。各現場で例外なく問題視されているのは雨天時の排水処理問題だ。天候に関係なくプレーヤーに最高のコンディションを提供するために、グリーンキーパーたちはコースに点在する水はけの悪い箇所の修繕に余念がない。そんなレポートを閲読していたのが、名門・奈良国際ゴルフ倶楽部でグリーンキーパーを務める辰巳広徳さんだ。
「全国のゴルフ場が新たに導入しているという『ドレインベルト』に興味を持っていました。独自の新排水システムだけにその効果には半信半疑ながらも、不定期で掲載されるレポートに注目していました」。

奈良国際ゴルフ倶楽部では18番ホールのグリーン手前の水はけの悪さが長年の課題だった。大きな起伏あるグリーン前のロケーションで、ちょうど窪みになる広域エリアは水が溜まりやすい。
「2016年に実施したワングリーン工事の際に、新しく暗渠排水管を埋めて排水能力アップを図りました。ただ状況改善されず追加で様々な暗渠排水工事に着手しましたが、改善に至りませんでした。私たちにとって未知の『ドレインベルト』はある意味、希望でした」。

昨秋から「ドレインベルト」の販売元である古河産業とセッションを重ね、今年3月のクラブハウスの耐震工事による休場日に合わせて、「ドレインベルト」を用いた排水工事を実施。期待通りの排水能力に辰巳キーパーは満足している。
「ぬかるんでいたエリアが、驚くほど改善されました。梅雨時期、そして時折起こる線状降水帯の豪雨でも、素晴らしい排水能力が発揮され、翌日には良コンディションに回復しています。この効果が長く持続できることを期待し、経過を見守っています」。

通常の暗渠排水の寿命は約3年と言われる中、「ドレインベルト」は約20年の効果が期待できるというから性能差は明らか。これから多くのゴルフ場でコンディション維持に貢献できる随一の存在になるだろう。

奈良国際ゴルフ倶楽部でグリーンキーパーを務める辰巳広徳さん。「コースに点在する水はけ不良エリアを今冬に『ドレインベルト』を用いて修繕する予定です」。

2025年3月に排水工事着手
18番グリーン手前の広域窪みエリアに約300メートルの「ドレインベルト」と、その排水を集水する暗渠を新設し、3つの排水桝へ集約させる施工プラン。掘った芝・土をそのまま埋め戻し、作業完了まで5日間。

「施工時に心配していたのはドレインベルトの間隔エリアの排水効果でしたが、経過は良好です。点でなく面で水を吸い取っている独自の排水効果はテキメンに機能していると感じます」(辰巳氏)。

[ 主な工事内容 ]
工事の主な内容は排水管に
ドレインベルトを繋げるだけでOK

ドレインベルトは幅20cm、厚さ2mmの軽量ゴム板状(素材:軟質ポリ塩化ビニール)の土木排水材。かぎ穴状の小さな切れ込みに表面張力と毛細管現象により集水し、サイフォン現象(高い位置から低い位置に液体が流れる)を利用した暗渠排水工法。水のみの排水が可能で目詰まりを生じさせない。

古河産業
問い合わせ/営業推進部 TEL.03-5405-6020
TEL.080-3411-4169 担当 吉川
Mail:fsk.drain_belt@furukawaelectric.com
ドレインベルト商品説明

写真=高橋淳司、奈良国際ゴルフ倶楽部

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