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今月のゴルフ愛 最後の一滴「マンブリ」

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日本人の脳ミソは漢字で形成されている。
蛮勇を鼓舞する為に漢字が駆使されたのは、日本が戦いの中にあった頃。「一死報国」「一億玉砕」「万歳突撃」・・・。たった4文字の漢字が、萎える日本人に火をつけ、国ごと悲劇へと追いやった。「不撓不屈」「勇猛果敢」「絶対合格」「相思相愛」・・・。部活や受験に恋愛と、学生生活にも熟語は欠かせない。漢字は令和の時代にあっても日本人の心を鼓舞し続ける。
今、流行りの俳句は、ニッポンそのものである。森羅万象を17音として表現する。季語が光や影を連想させ、そこに漢字と平仮名が溶けあって独特の情景を脳内に創り上げる。

柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺(子規)

山に沈もうとする夕陽が、五重塔と一人の男を影とする。橙色に光る柿を口に運び、噛み締めた刹那、鐘の音が全てを包み込む。やがて脳内は静寂に満たされる。
ゴルフにおける「マンブリ」は、クラブを振るわけだから「マン振り」である。マンは、正解となる漢字に確証が無い。が、これが奇妙な効果を生み出す。カタカナの効果である。鉄腕アトムの10万馬力の「万」であり、満タンの「満」という二字が浮かぶ。この二字により、自己を超越する爆烈弾道を放つ疾風怒濤の激振メージが筋肉を金剛不壊へと変じさせる。しかして、果て無き因果は、無残にも絶対死地の奈落の底に向かい、茫然自失の応報を得る。
「マン振り」に欺瞞(ぎまん)の「瞞」を充て、「瞞振り」とイメージした方が身のためであろうが、漢字が難しすぎるが故に鉄腕アトムには勝てない。突き詰めて、ゴルフを簡潔に表せば、「七転八起」ということであろう。
皆様もゴルフにまつわる四文字熟語を思いつけば、BUZZ GOLFのTwitterへ、リツイート下さいませ。

BUZZ GOLF 主筆
内本浩史
(うちもとひろし)

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