1. HOME
  2. ギア
  3. 総力特集「ゴルフボールの教科書」後編
ギア

総力特集「ゴルフボールの教科書」後編

ギア

知っておこう ボールの豆知識 Ⅰ
ディンプルはゴルフボールの翼

飛びの三要素の初期条件後を
左右するディンプルの力

ゴルフボールが飛んでいく速度は、あらゆる球技の中でも群を抜いてトップにある。
男子プロが打つボール初速は時速270kmと新幹線とほぼ同じ速度で飛んでいくのであり、その速度が速ければ速いほど空気抵抗は大きくなってくるわけだ。

「ゴルフボールの表面のくぼみ、ディンプルは、飛翔中のボールに発生する空気の流れを整える役目を担います。ボールを後方に押し戻そうとする力である抗力を低減させることと、ボールを持ち上げる力である揚力を大きくする、そのメカニズムは飛行機の翼と同じなのです」(ブリヂストン・佐藤さん)。

一般的にディンプルが浅いと高弾道に、深いと低弾道になり、さらに形状、数、面積など数多くの要素を絡み合わせて、ボールの弾道特性を機能化しているのである。

「インパクトの初期条件の後の飛び方を左右するのはディンプルの力なのです」。

ということは・・・いくら、飛びの三要素が理想的に改善したショットが打てたからといって表面が傷ついたボールは飛び方に支障をきたすのではないだろうか。次のページでレポートしよう。

「ランチャー」というテストマシンで飛びの三要素の初期条件を設定し、弾道の飛翔状態からディンプルの性能を追求している。

知っておこう ボールの豆知識 Ⅱ
弾道が不意に曲がってしまうのは
表面の傷が理由かも・・・。

ロボットテスト初期設定条件
●使用ボール:ツアーB X
●ヘッドスピード:42m/s
●初速:60m/s
●打ち出し角:14.5度
●バックスピン:3200回転

ディンプルの偉大さを痛感した実験結果

初速・打ち出し角・スピン量という飛びの三要素における初期条件のデータを弾道として飛翔させるのはディンプルの性能が担っている。ということは、カート道などに落下して表面が傷ついたなら、飛び方は変わってくるのだろうか。

「傷ついてディンプルが損傷したボールは、その部分が飛翔中に空気抵抗をダイレクトに受けてしまうため、事実その機能が発揮できなくなります。右サイドに傷があるなら左へ、左サイドに傷があるなら右へと曲がります。他のケースでは泥がついた場合も同じことが言えます」(ブリヂストン・佐藤さん)。

表面劣化がパフォーマンスの劣化に直結しているため、ツアープレーヤーたちのボール交換の平均頻度は9ホールで1個、ボールチェンジをしているという(過去には3ホールに1個というプレーヤーもいたほど)。ただ私たち一般アマチュアゴルファーがそれと同じ頻度で替えるのは酷な話だ・・・。

「昨今はカバーコーティングなどで耐久性が飛躍的に上がったおかげで、微細な傷ぐらいなら修復してしまうほどに現在のカバーは優秀、プロのような交換頻度は必要ありません。ですが、目立つような傷なら交換することを推奨します」。

表面が傷ついたら弾道は曲がる・・・覚えておいて損はない基礎知識である。

左右ブレのない美しい軌道!
【傷なしボール】
キャリー:215ヤード
トータル:237ヤード
右ずれ:1ヤード

とにかく傷がついた箇所の反対方向に曲がる!
【傷つきボール(右側)】
キャリー:182ヤード
トータル:211ヤード
左ずれ:29ヤード

ディンプルがある方向への曲がり方が異常!
【片方ディンプルなし(右側)】
キャリー:120ヤード
トータル:155ヤード
左ずれ:37ヤード

曲がり方が想像できなほど不安定!
【ディンプルなし】
キャリー:115ヤード
トータル:145ヤード
右ずれ:8ヤード

スピン系&ディスタンス系の正体
ボール選びで考えるべきショット技術に応じた
パフォーマンスの求め方

低スピンで打てるプロ・上級者、
ハイスピンで打ってしまう一般アマ

平均3000回転超という私たち一般アマチュアゴルファーのドライバーショットのスピン量を改善できるのが、スピンを抑制できるディスタンス系ボールのメリットだ。ボールを替えるだけで、2000回転台までスピン量を抑制できることが期待できるため、ぜひ採用していただきたいが、もう一つのカテゴリであるスピン系ボールとはどんなタイプなのかを考えたい。

「ディスタンス系ボールに比べてスピン系ボールは、コアが硬めの設定でスピン量は多くなりますが、もともとプロや上級者をターゲットとしているため、“ドライバーショットが適正スピンで打てる”前提で開発されています。硬めのコアのメリットとしては初速性能に優れること。プロは高初速かつ最適スピン量で圧倒的な飛距離が出せるのです」(ブリヂストン・佐藤さん)。

と、説明してくれたように、あくまでプレーヤー個々の持ちスピン量によって最適ボールは変わってくるのである。

「さらにスピン系ボールの最大特性として、最外層のカバーが非常に軟らかいウレタン素材が採用されています。ショートゲームのスピン性能に優れるため、プロや上級者が求めるスピンコントロールを意識したショットが可能となります」。

ただ昨今ではディスタンス系ボールでも、反発性と軟らかさを兼備したカバーも採用されるようになり、ショートゲームのフィーリングがよくなってきた。もちろんショートゲームのスピン性能にこだわることは大切だが、その前にボールを遠くへ飛ばす弾道のクオリティをアップさせることが、私たちアマチュアゴルファーにとってのボール選びの鉄則である。

飛ばしの2つの方向性

ボールのエンジン最内層のコア

低スピンに貢献するやわらかいコア
高初速性能を持つ硬めのコア

コアを包み込みエンジンの働きを補助する中間層

反発力をアップさせる中間層(打感の良さにも寄与)
反発力をアップさせる中間層

最外層でクラブフェースと接触するカバー

反発力・低スピン化に寄与する硬いカバー
スピン性能に優れた軟らかいカバー

1. アマチュアゴルファーのための
低スピン設計で飛距離を最重要視したディスタンス系ボール

ドライバーショット低スピンで飛ばす&アプローチショット安定した高さで寄せる

ブリヂストンゴルフボールでは・・・

スピンが少ない TOUR B JGR

最もスピンが少ない PHYZ

2. プロ・上級者向けの飛距離性能、
アプローチスピンを重視したスピン系ボール

ドライバーショット高初速で飛ばす!&アプローチショットスピンで止めて寄せる!

ブリヂストンゴルフボールでは・・・

最もスピンがかかる TOUR B XS

スピンも飛距離も兼備 TOUR B X

編集後記
改めて考えたいアマチュアゴルファーにとっての
ボール選びの考え方

一度は受けたいボールフィッティング

私、編集長Gのゴルフ歴はもう20年超となった。BUZZ GOLFというゴルフ専門媒体でレッスンやギアで講釈しなければならない立場・・・。自分自身も一人のゴルファーとして、ゴルフをそれなりに一生懸命に取り組んできた。

様々な経験を重ねてベストスコアも70台にまで辿り着け、今は「目指せ!パープレー」を掲げてゴルフを楽しんでいる。その活動の中で様々なトッププレーヤーから共通する貴重なアドバイスを頂いたことがある。

「上達したいなら、ゴルフボールを厳選して、それを使い続けなさい」。

助言を守り、とあるスピン系ボールを使い続けたおかげで、アプローチが飛躍的に上達でき、今のゴルフに至っているが・・・。正直、練習量の足りなさから今はショットの不安定さに苦しんでいる。

今特集ではブリヂストンにご協力をいただき、ボールフィッティングを受けさせていただいた。
一応、意識の高いゴルファーとしてスピン系ボールを使っていたいが、弾道がまとまったのはディスタンス系ボールに。以前はそれを悔しいと捉えたかもしれないが、これからはディスタンス系ボールのより安定した弾道でスコアメイクを楽しみたい。賢くギア選びをすることで、さらなるマネジメントが実践できることは間違いないのだ。

一度、読者の皆様もボールフィッティングを受けていただきたい。モデル毎の違いや必要とする傾向が確実になる。残念ながらコロナウィルスの影響でイベントは中止されているが、店頭で簡単フィッティングは受けられるのだ。

トラックマンの前で様々なゴルフボールを打つと、面白いようにボールの性質が弾道に現れてくる。ぜひ、ブリヂストンのボールフィッティングイベントを受けていただきたいが、残念ながらコロナ禍で休止中。開催告知を待っていただきたい。

安価ボールを卒業するタイミング

現在、1ダース2000円を切る安価のゴルフボールが爆発的に人気だ。一般アマチュアゴルファーにとって財布に優しくて嬉しいが、その特徴は気になるところだ。ブリヂストンの佐藤さんが解説してくれた。

「ブリヂストンでも安価のボールラインナップがあります。例えば『スーパーストレート』は全番手での直進性をとことん追求したボールであり、『エクストラソフト』は全番手で非常に軟らかい打感を追求したボールであります。それぞれ一つの性能は特化させていますが、わかりやすく言えばアプローチのフィーリングやスピン性能は兼ね備えていません」。

飛距離という意味では、単純にこの特集で勉強してきた通り、自分の持ちスピンで最適(コンプレッションがやわらかい=スピンが減る、コンプレッションが硬い=ボール初速が速い)を選ぶことができるという。
初心者ゴルファーにとっては申し分ないパフォーマンスが備わっているのは間違いない。

ただ・・・フィーリングであったり、弾道のコントロール性やスピン性能など、ステップアップするためのパフォーマンスは必要となってくる日はある。その時を見定めてご自分で前向きなボールチェンジにトライしていただきたい。

安価ボールを卒業するタイミング、それはショートゲームのフィーリングやスピン性能にこだわりを感じた瞬間かもしれない。

店頭でのボールフィッティング開催場所・日程は「ゴルファーズドック」をチェック。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。