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朝のたんぱく質、「魚」はいかが。|食トレで変わる、その一打! Vol39

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ゴルフは、朝イチの一打からが本番。「なんだか今日は体がよく動く」「集中しやすい」――。そんな実感のある日は、たいてい“いい朝ごはん”を食べているものです。 とくに“朝のたんぱく質”はコンディションの立ち上がりを支える、静かなスイッチ役に「魚」はいかがですか。

朝たんぱく質が、スイッチになる理由

たんぱく質というと「筋肉の材料」として知られていますが、最近の研究では、「いつ摂るか」も大切だとわかってきました(※1)。とくに朝のたんぱく質は、代謝や体温、集中力など、1日のパフォーマンスに関わる体の動きをサポートすると考えられています。

朝の体温が上がりやすくなる

朝食にたんぱく質を加えると、炭水化物だけの場合に比べて、食後の体温が高まりやすいという報告があります(※2)。体温の上昇が、交感神経の働きを後押しし、目覚めたあとの身体が動きやすく整っていくことが期待されます。

体のリズムを整えるきっかけ

朝にたんぱく質をしっかり摂って、日光を浴びる。このシンプルな習慣が、体内リズムを整える助けになり、1日のコンディションや疲労からの回復に差が出ることもあります。実際、サポートしてきた選手の中には「朝食でたんぱく質を意識するようになってから、夜の寝つきがよくなった気がする」と話してくれた方もいました。

魚たんぱくが、朝に向いている理由

たんぱく質は「摂ればよい」ではなく、「吸収されて体に届く」ことが大事。その点で、魚由来のたんぱく質はとても頼れる存在です。魚のすり身から作られるたんぱく質は、体にやさしく、吸収されやすいという特長があり(※ 3)、体の中で活用されやすい“質の高い”たんぱく質として評価されています(※4)。私自身、胃腸が敏感なアスリートや、朝食後すぐに動き出す競技者の食事設計を考える中でも、「魚肉の軽さ」に助けられることが多々ありました。朝食での取り入れやすさという点でも、非常に実用的な選択肢だと感じています。

勝負は、クラブより先に、朝ごはんで決まるかもしれません。

石松佑梨
いしまつゆり。管理栄養士、数々のトップアスリートたちをサポートする食トレのスペシャリスト。著書の「過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー」(かんき出版)はアスリート必携の1冊だ。

参考資料
※1:Mamerow MMら,J Nutr.2014;144(6):876‒880.「たんぱく質の摂取タイミングと筋肉合成効率に関する研究」
※2:JohnstonCSら,J Am Coll Nutr.2002;21(1):55‒61.「健康な若年女性において、高たんぱく・低脂肪食は高炭水化物・低脂肪食と比べて、食後の熱産生が2倍に増加する」
※3:魚肉たんぱく研究所「魚肉たんぱく白書」より
※4:同上(図1-1)

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