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BUZZ GOLF 2020年2月号発行
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タイガーが妥協なく求めたのはウェッジショットにおけるディープ感だ。ディープ感とは打感の軟らかさ、フェースへの乗り感、そして低い打音。独自の制音・衝撃吸収材を配合したリアクティブiQ・ウレタンカバーは「ツアーB X/XS」の圧倒的なショーゲーム能力の大切な技術となっている。この限りなく軟らかいウレタンカバーに耐久性を与えるのが表面のスリップレス・バイトコーティング。タイガーの要望が耐久性を兼備させる進化をブリヂストンに与えたのは確かだ。
写真=aflo
ブリヂストンのゴルフボールの研究開発拠点・M&Dセンターでは、私たちゴルファーが想像できないノウハウの数々が駆使されてパフォーマンスが追求されていた。その根底にあるのは間違いなく品質の追求であること、そう語るのは小松淳志氏。ブリヂストンのボールの躍進に勤しんできた技術者の一人だ。
「包み隠さず話すと長い年月、“世界1位”を追いかけてきた。その過程ではユーザーのフィードバックを繰り返し、多くの反省点を一つひとつ改善する日々があったのも事実。『ツアーB X/XS』はその存在にやっと追いつけ、追い越すレベルまで来られたと私たちは確信しています」。
小松氏が“追い越すレベル”と表現するその象徴は、多くの上級者が評価するカバーの存在である。
「ツアー系と言われるボールの代表的な課題は、ウレタンカバーの耐久性を高めることにあります。たった一打のウェッジショットでディンプルの形状が崩れてしまったら、ボールの性能自体が崩れてしまう。ディンプルはボール性能の命といっても過言ではないからです」。
ショットで傷がついたディンプル箇所は空気の抵抗そのものになり、弾道を不安定にさせる。ディンプルが傷んだなら、ツアープレーヤーは次ホールで新ボールにチェンジすればいい。ただアマチュアはそうはいかない。消耗品のボールも“高価なギア”だけに、アマチュアのプレーシーンにこそカバーの耐久性は必須だ。
「『ツアーB X/XS』は限りなく完成形に近いパフォーマンスを誇っています。が、まだまだゴルフボールはやれることがある、というのが私たちの考え。工業製品である限り、精度・品質を常に追求していかなければならない。例えそれがパフォーマンスを左右するほどでもない微細な要素であっても、とことんクリアにしていく。結局、品質があるからこそ極限に精度の高い製品を作り出すことができる。高い精度はルールに沿った限界まで性能を高めていくこともできる。全ては品質あって勝負できるわけです」。
タイガー・ウッズが『B』を選び、多くのアマチュアゴルファーが『B』を手にするきっかけを得た。そんなプレーヤーたちが明らかな優位性である“高品質”を『B』で体感し、信頼を勝ち得たことが今日の躍進に至った。
「ブリヂストンのゴルフボール=高品質&高パフォーマンスである価値を、さらに盤石にできるよう私たちは日々の研究開発に妥協しません」。
ブリヂストンスポーツ(株)
商品企画1部
ボール商品企画ユニット
小松淳志氏
「ツアーB X/XS」は中間層の比重を上げ、コアと中間層とカバーの比重差を少なくすることで、量産過程で重心精度をさらに保つことできたという。「軽すぎる層は重心がずれる可能性を生んでしまう。その少しの可能性がある限り、その要素はクリアしていかなければならない」(小松氏)。
中間層の硬度が上がったことで、ミドルアイアンの距離精度アップも実現。またボール自体の慣性モーメントも上がり、パッティングの転がりの良さにも貢献する。様々なボールを打ち比べた有識者で競技ゴルファー達も「ツアーB X/XS」の“ひと伸び”感のある転がりを評価。いいボールはいい転がりを生む。
取材協力=ブリヂストンスポーツM&Dセンター秩父
撮影=高橋淳司
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