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ヘッド測定で見えた!最新ドライバーの飛びの真実【1】|ヤマハ、PING

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レディスモデル含め
41モデルのヘッド計測

ゴルフクラブはヘッド、シャフト、グリップとそれぞれのパーツが組み合わさって1本となる。
その性能はゴルファー一人ひとりによって感じ方は異なり、ゆえに実際に打ってみてゴルファーの判断に委ねられ、もちろん万人が参考になるインプレッション評価は存在しない。

しかしヘッドそのものの正確な性能値がわかれば、確かな一つの基準値は見えてくる。
それが本当に自分に合っているのか?
またはどんなシャフトでその特性を活かすか?
飛びの真実が見えてくるのである。

今企画はメーカー各社から最新ドライバーのヘッドを取り寄せて一気に性能値の測定を敢行。
気になるメーカーがどんな開発テーマを持っているのか、あなたのドライバーがどんな性能を秘めているのか、または気になっているドライバーはどんな性能なのか、注視してご覧いただきたい。

撮影=田中宏幸
ヘッド測定=ジューシー

話題の10Kはなぜ飛ぶのか!?
打点ブレによって
スピンの大小を生まず弾道が安定する!

話題の10Kモデル
Qi10 MAX テーラーメイド

ウェイト調整で10K超え
BLACK OPS PXG

ドライバーにおける
縦のギア効果を駆使した
飛びは期待できない

2024年は年初から“10K”なるモデルが話題となっている。上下左右の慣性モーメント(MOI)の合計値が1万g・㎠を超すこと、つまり10K超えの意味だ。MOIが大きいほどインパクトの打点ブレによって弾道ロスを生まない。

ゴルフクラブの上下方向のMOIは左右に比べて小さい。例えば中空アイアンは左右のMOIが約3000g・㎠に対して上下500g・㎠程度というモデルもあり、上下打点ズレによるスピン量の差は激しい。とくに上打点のミスではロースピンになり過ぎてドロップまである。低重心すぎるアイアンでも同じ傾向が言える。

フェースの縦方向で性能が安定するMOIは2000g・㎠以上の数値が必要。3000g・㎠を超えると徐々にその性能差は小さくなる。最新ドライバーの多くはその数値を達成しているのも特徴である。

いわゆる“10K”モデルは縦方向で4000g・㎠を超える。つまりそれだけ上下打点ミスに強く、芯を上下に外してもスピン量の大小を生まない。フェース面の重心点の上エリアを“有効打点エリア”といい、そこで打つと縦のギア効果によるロースピン弾道で1発の飛距離は期待できた。が、10K時代においてはその考え方はあまり意味をなさない。それだけ弾道が安定している証拠でもある。

ヘッド計測・解説 松吉宗之
まつよしむねゆき。ヘッドを数値化したパイオニア竹林隆光氏(フォーティーン)に師事し、多くの名器の設計をしてきたエンジニア。現在は自身が主宰するジューシー(株)にてオリジナルブランドの設計開発、またOEM 設計に携わる。

日本メーカーで高慣性モーメント・・・
筆頭はヤマハ!

ヤマハというメーカーは、しっかりと業界の開発トレンドをリサーチし、その先を見据えたクラブづくりをしている。とくに新作(未発表モデル)は、非常に大きなMOIが特徴的だが、一方でデザインや形状は完全に日本人好み。まさにヤマハらしさを象徴している新作は期待値大だ。トレンドをおさえつつ日本らしい性能やフィーリングを兼備できるのは、ヤマハの開発の底力ゆえだ。

【未発表モデルA】
重心距離、重心深度、重心角のバランスが優秀。上級者が自分の意思をヘッドに伝えやすく、使いやすい。
【未発表モデルB】
200gに満たないヘッド重量にも関わらずMOI5500g・㎠以上は秀逸。10Kのトレンドにヤマハらしい使いやすさが健在している。

慣性モーメントにこだわり続けるメーカーといえば・・・
PINGですよね!

PINGは創業当時からパターもアイアンも慣性モーメントを大きくするとゴルフクラブがやさしくなるという設計思想を変えておらず、独自路線を歩んできたメーカーだ。もちろんドライバーの開発意図もそれを継承。現在の業界全体のトレンド「MOI」によって、全てのドライバーがPINGの重心設計に近づいてきたと言っても過言ではない。そうなると長きに渡って独歩していたPINGに一日の長がある。近年、PINGのドライバーがヒットしているのも納得の結果だ。

G430 MAX 10Kドライバー
大MOIと深い重心深度が特徴だが、重心角がそれほど大きく設計されていない。基本的には強振したいプレーヤーにおすすめ。

有効打点エリアで起きるギア効果

フェース面上の重心点よりも上のエリアで打ったヘッドブレにより、ボールのスピン量を抑えることができるギア効果が従来のドライバーでは期待できた。しかしMOIが大きい最新ドライバーの多くは上下打点ミスでもヘッドがぶれないため、その効果は皆無に近い。

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